私がちょっと前から注目しているエコノミストに、増田悦佐(ますだ えつすけ)さんという方がいます。
オーソドックスな経済学出身で実証データを引用し、日本をおおむね肯定的に分析する。またリベラルで女性の立場を尊重し、subculture・オタク文化を理解する人です。(もちろん、批判もあるけどね)
増田の最近の著作に
『格差社会はウソである』 PHP出版 2009
というのがあります。
ま、この題名からして賛否は分かれるだろうし、増田自身も諸手を挙げて現代日本を礼賛したりせず、問題点の指摘もしている。社会政策不要を唱える新自由主義者ではないからね。
さてこの本の中に面白い指摘が。引用します。
> …日本ほど子どもが社会的に成熟している国はない。
> 反面、おとなになってもあまり成熟度が高まらない。
> だから、日本では
> 小学校高学年から三十代、四十代くらいまで
> ほぼ均質の社会的成熟度の人間たちが、
> 似たような財やサービスをめぐって世代を超え、
> 必要に応じて需給双方に顔を出す
> 独特なマーケットが形成されている。
なるほど、非常に納得だった。