アメリカ合衆国第44代大統領に就任が決まった(厳密には、決まってはいないな、“確実視されている”)バラク・オバマ(Barack Obama)氏。
G[2008.11.05]
しかし各種報道を読んでいて、彼について一つ疑問が。
それは、
オバマ 新大統領は、果たして黒人なのか?
ということです。マスコミもネット上でも、誰もが皆、彼を指して
アフリカ系・黒人と表現しています。
“そいつぁ難しい問題だ。確かにObamaは白人家庭の中で育てられ、Harvard大law schoolを卒業するなど、白人エスタブリッシュメントに近い経歴を持つし。実際、アフリカ系といっても黒人奴隷の子孫ではなく、父親がケニアからの移住者だったわけだし。”
といったことを考える人もいるでしょう。しかし今日、まーくが問題にしたいのは、もっと単純、でも根本的なことです。
オバマは遺伝的にいうと、白人と黒人のハーフなんですよね?
中南米でいえば、
ムラート・Mulattoと呼ばれる存在。
(注:純粋な「人種」などというものは存在しない、ということは承知しています。が、まあおおざっぱに聞いて下さい)
もし彼が、父親の故郷ケニアの村で過ごしたら、周りから、
“あいつは、白人の血が混じっている”
と言われるはず。
でも米国では、彼はアフリカ系・黒人と呼ばれてしまいます。
∵なぜならば、それは米国の白人社会における
一滴ルール
というものがあったからです。この基準は単純明瞭です。
“黒人の血が一滴でも混じっている者は、これを黒人と見なす”
という白人社会からの見方です。
で、俺が、例えば

『ルーツ』 DVD
『ルーツ』 書籍
(品切れ)
『ルーツ ・ ROOTS』なんかを読んでて衝撃的なのは。
白人の奴隷主が、自分が「所有」する女奴隷と性的な関係を持って、生まれた子ども(当然、混血・ムラート)を、そのまんま奴隷として扱うということなんです。場合によっては自分の実の子を売り払ったりする。
そこでも適用されるのが、
“黒人の血が一滴でも混じった者は、黒人である”
というルール。
だから実は、黒人奴隷にその起源を持つ多くの米国黒人(アフリカ系)は、純粋な黒人と言うよりもほとんどが、混血・ムラートです。
アレックス・ヘイリーも。
アフリカ出身のアフリカ人とは、明らかに異なります。
「Detroitの赤毛」と呼ばれた
マルカム.Xもそう。彼は自分に赤毛の遺伝子を授けた、白人のことを忌み嫌います。
彼の祖母を強姦して孕ませた奴隷所有者である白人。それは リトル・Little という苗字だったから、奴隷である彼の一族もそれを名乗ります。
(注;ここら辺も、日本人とは感覚が大きく違う。日本なら奴隷主が自分の奴卑に、自分たちと同じ姓、あるいは氏を名乗らせるなんて、有りえない。なお、苗字と姓と氏の違いについては、、、語り出すと長くなり過ぎるんでまたいつか)
彼は Malcolm Little という名乗りを拒否!自分たちのアフリカ時代本来の苗字 でもそれはまったく分からないから、と
未知である → X
と名乗ります。
つまりねえ。“オバマが黒人だ”、っていうのは、未だに白人社会に立脚した見方なんです。一滴ルールに基づいてるんです。
もし彼が、黒人ばかりの社会で村長なり大統領なりになったら、
“白人の血を引く初めての政治家だ!”
と称されたことでしょう。
というわけで。まあ、特に政治的な主張をしたいわけじゃないけど(その種のコメントも遠慮してね)。
“オバマは黒人だ”
っていう言い方には、当然そういう前提がある、ということでした。
追記
オバマは黒人か? マスコミでも
G[2008.11.17]