さて今日は久しぶりに、blog記事を更新してみよう。
ある本を読み直していて、非常に面白い概念を思い出した。
それは、
非理法権天
なんじゃ、そりゃ? って、
wikipediaにも載ってる、近世日本の法概念らしい。
(ただし、太平洋戦争中に無茶なスローガンとして不幸にも使われた経緯はあるけど。)
この言葉は、
非は理に勝たず、理は法に勝たず、法は権に勝たず、権は天に勝たず
という意味合いである。
例えば他人を貶める非道なことをするのは、これは理に適わないから、もちろん悪いことだ。
とはいえ現実社会には、成文化された法、あるいは慣習化されたルールというものがある。
いかに非道なことでも、法に反しなければ認められるし、ルール上、罰することができないこともある。
それでは、理にも適って法にも則れば正義が貫けるか?と言えば、そうもいかない。
その場所・時代の権力者という者がいる。無責任な権力者が法を恣意的に解釈したり、不法を見ぬ振りをすることもできる。
ところで、「権」には権力者の「ケン」だけでなく、「ゴン」という読み方もある。これは、「仮の」「一時的な」「かりそめの」という意味。(余談だけど、水戸黄門・徳川光圀は、厳密には中納言じゃなくて権中納言(ごんちゅうなごん)。仮の中納言くらいの意味)
今、この場で権力を握っていてもそれは、かりそめのものに過ぎない。状況が変わり権力を失えば。
天網恢々疎にして漏らさず。天が結局は非道を罰するかもしれない。
というのが、この言葉が持つ思想である。
(なんか、この「天」を実在の「天皇」ととらえたから、トンデモ解釈になっちゃったんだね)
非理法権天