『日本経済新聞』に掲載の「私の履歴書」。
これに経営者が登場した企業は、その後、業績が悪化するというレポートを岡三証券が公表したらしい。
『産経ニュース』経済インサイド 2015.09.15
あのう、、、これって、
あ・た・り・ま・え
の事なんですけど。
そもそも直近においてトラブルに見舞われず、不祥事も起こさず、
業績好調な企業の経営者がインタビュー対象として選ばれる事が多いわけで。
その企業にとって実力を思う存分、発揮している、いや実力以上の幸運に恵まれている時期だからこそ、「私の履歴書」に掲載される。
しかし、幸運が連続する事は確率論的に少ない。
結局、その後の期になると業績が落ちる「確率が高い」。
極めて当たり前の話。
統計学で言う、回帰効果(regression effect)、平均への回帰というもの。
米国の認知心理学分野ではスポーツの世界を例に、以下のようなジンクスが採り上げられていた。
○ 雑誌『Sports Illustrated』の表紙を飾った選手は、その後成績が落ち込む。(→だから表紙への登場を拒否するアスリートもいるほど)
これなんかまさに、「私の履歴書」ジンクスと瓜二つ。
○ プロ野球(Major League)で新人王を取った選手は、2年目になると1年目ほどの成績を残せない。「新人王2年目のジンクス」
いずれも、統計学的にはあまりにも当然の話。
でも精神論と結びつけて、
「褒められたから調子に乗って努力を怠るヤツが多い」
といった解釈をされちゃうんだよなあ。
統計学的な思考が普及していない、という問題点でした。