前回からさらに井沢説は続きます。
殿中で刀を抜いて斬りつけた場合、乱心だろうと遺恨だろうと、
「その身は切腹、お家は断絶」が当たり前。事実、前々回
G[04.12.16]にもあるように、内匠頭の近しい親戚も同様の措置にあっています。
一方、刀を抜かずに逃げただけの側は無罪。これも江戸時代の前例があります。
つまり幕府の裁定は、決して「片落ちのお裁き」ではなく、当時の「判例」に基づいた、極めてまっとうなものだったのです。
江戸庶民も全国の人たちにもそれが常識で、赤穂浪士が吉良を討つなどとは想像だにしていなかった、のが実態らしい。
しかし大石は明らかに幕府への抗議と当てつけのために吉良邸に討ち入っています。実は乱心での刃傷なら、内匠頭の一族(弟:大学頭)にまで累が及ばないのです。ところが幕府は、「明らかに乱心の」内匠頭を将軍:綱吉の保身のためか、「遺恨あっての刃傷」と決めつけて、弟の家も取りつぶしてしまいました。赤穂浅野家を守りたい大石は、これに激怒、抗議の意も込めて、「無関係の吉良邸へ討ち入ってしまった」というのです。
竹田出雲.原作の人形浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』が大当たりしてから、事実をねじ曲げ、江戸庶民の願望も含んだ虚構が主流になってしまいました。
井沢元彦.説の受け売りで続けてしまいましたが、
日本史上最大の冤罪被害者、
高家筆頭:吉良上野介義央さん
の無罪を晴らす
活動をまーくは展開中です。
三河国(愛知県)吉良町の写真がないか、今ちょっと探してます。
というわけで、少なくとも
「愛知県知事と議会は、フィクションの『忠臣蔵』には抗議しよう!」
「大河ドラマで『忠臣蔵』を扱う限り、NHK受信料は同盟不払いにしよう!」
という主張も推進中。
(精神疾患は扱いが複雑なため、ぼかした表現にさせてもらいました。)