日本TV系、
『所さんの目がテン』、[2007.02.18]は「引っ越し」の特集。
引っ越し屋さんの段ボールは、なぜ「白」なのか?
色彩心理学の教授によると、なんでも「白」は重さを感じさせない色だとか。だから、重たい引っ越し荷物を持ち運ぶには都合がよい。
...と、ここまでは「定説」として良いとして。
では実験してみましょう。保育園児たちに同じ重さの「白い箱」と「黒い箱」を持たせて、「どっちが軽〜いか?」
白:黒 回答は、12:7。うーん、統計的には偶然の範囲だな。
そういえば最近の、『発掘!あるある大事典2』の「納豆ダイエット捏造」事件。これも、フジTV・関西TV系の『あるある』と違って、日本TV系の『所さんの目がテン』は、捏造をしなかった。番組趣旨に合った研究結果が得られなかったため、放送を中止した、と好意的な報道も。
ところが、この後で、『所さん…』も暴走します。
東京・東亜学園高校(スポーツ校として有名)のウェイトリフティング部、男子生徒で実験を。
普段使っている、「黒いバーベル」(そりゃ、鉄(くろがね)製なら黒に近いわな)と別に、「白く塗ったバーベル」を用意した。
部員5人中4人が、
白いバーベルだと、クリーン&ジャーク(まず肩、続いて頭上まで持ち上げる競技)の自己最高記録が伸びた。
例えば、104kg → 105kg へ。
...。まーくもこれには
苦笑...そして
大爆笑。
3つくらい、つっこめるな。
1 「心理的に「白」は、重さを感じさせない色だ」 って効果を測るなら。
黒の104kgバーベルに自信を持っている、でも105kgは無理だと思いこんでる(実際できない)人に。
「これは、104kgですよ!」
と、ウソをついて、105kgの白バーベルを渡す。
白いから重さを感じさせず、105kgジャークに成功。
潜在能力を100%発揮させた形。その後で、
「実は、、、」
と105kgあったことを明かす。その選手は、以後、「黒バーベル105kg」も、自信を持って差し上げることができるようになります。(めでたし、めでたし)
2 って、最初から「白で105kgにチャレンジだ!」って勢い込んだら、実験の意味がないだろう!
いや、こうなるとまた別の意味での「実験」に。それは、そうあの有名な
「ホーソン工場」 の実験。
工場の照明と作業能率の関係を実験で確かめようとした。ところが、どんな照明の明度に変えても、実験が進むほど作業能率は上昇。(注;実験するまでは長年、能率上昇見られなかったので、「学習」「熟練」ではない)
実は...。「実験の被験者に選ばれて、期待されてるんだ!」と思い込み、さらに職場環境がめまぐるしく変化するのが新鮮な刺激になって。
「実験されてるからこそ、やる気が出て、能率が上がった」
今回のウェイトリフティング部員だってそうだよね。いや、実は所ジョージ.氏自身も的確な突っ込みを。
>「カメラが回ってるから張り切っただけじゃないの?」
>「カメラの馬鹿力」(火事場じゃなくてね)
まさにそうだね。やっぱこのへんが、他番組と比べて良心的なのかも。
3 それから最後に、筋トレ的観点からつっこみを。
ウェイトリフティング部員は、毎日のように自己最高記録(1repetition maximum)にチャレンジしているわけがない。そんなことしたら身体が保たない。
以前に出した、自己最高重量。その後は毎日、ハードな筋力トレーニングを。そしてTV取材のタイミング。
「久しぶりに自己最高記録を測ってみましょう」
そもそも、ウェイトリフティングなんてマイナーな(おそらく本格的には高校で始めたばかりの)競技の「男子高校生」でしょ?伸び盛りでしょう?
なんの手加減もしなくったって。
「久しぶりに自己最高記録を測って」
みれば、以前より伸びているのは、当たり前すぎる気がします。