人類の各民族、細かく分けた各人種ごとに、身体能力に特長があり、それによって得意なスポーツが生じる。
という主張を、以前、

ジョン・エンタイン 著
『黒人アスリートはなぜ強いのか? その身体の秘密と苦闘の歴史に迫る』
という本で読みました。(人種差別にならないよう、細心の注意を払って書かれています)
西アフリカ(ギニア湾)系は陸上短距離
東アフリカ(エチオピア・ケニアなど)系は陸上長距離
東アジア人もレスリング・重量挙げ・体操には秀でる、
など。逆に言うと、日本人ががんばっても、100m走で外国人に勝つのは、かなり難しい、ということに。
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ところが、
英国・グラスゴー大学 ヤニス・ピツラディス博士 の考えは違います。
「最速の故郷 ジャマイカから 中」 『朝日新聞』 [2007.05.17]
(まーく注:この『朝日新聞』の記事自体、非常〜に分かりにくい。記者は遺伝子科学を分かって書いているのだろうか?おそらくこう言いたいんだろう、という点を私が以下のように引用・要約しました。間違っていたらご指摘ください)
アフリカの一部部族出身に集中する一流陸上選手の
>母系がわかるミトコンドリア遺伝子と、父系のY染色体遺伝子を調べても、
>家系はアフリカ以外にも広がり、「足の速い家系の遺伝子」は特定できなかった。
しかし世界の一流の短距離選手を調べると、
>瞬発力に影響すると見ているACTN3遺伝子に
>共通する特徴が見つかった
つまり、特定の人種・出身地で足の速さの優劣が決まるわけではない。
どんな人種にも、特定の遺伝子を持った人はいるわけで、そういう人なら俊足になれる。
→ 日本人でも、100m走で外国人に勝てる人も出てくる。
ただし出身地ごとに、特定の遺伝子を持った人ばかりが淘汰された可能性はある。
例えば、
ジャマイカ人は俊足だ!
という評価がある。これも、
ジャマイカ人の足の速さは、アフリカ系の人種そのものの特長ではない。
(黒人奴隷発祥の他国人と比べても速いんだから)
地元ではこう、信じられている。
ジャマイカは黒人奴隷貿易の中継点の位置を占めていた。そして脱走した奴隷が、山の中で長年抵抗を続けた。それがジャマイカ人の先祖になった。
足の速い個体ばかりが淘汰されたのだ。
(黒人奴隷の物語については、まーくも言いたいことはあるんだけど、また今度)
ヤニス・ピツラディス博士は、ジャマイカに調査に赴くようだ。
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ふう、書いてて俺もこんがらがって来た。でも『朝日新聞』の原文より、はるかにわかりやすい、と思います。