2015/8/6  22:27

日本のいちばん長い夏  昭和史
前回、松竹映画『日本のいちばん長い日』が08日に公開されるので楽しみだと記述した。主人公の陸軍大臣・阿南惟幾(あなみこれちか)役は、役所広司。昭和42年封切の映画では三船敏郎が主演した。総理大臣・鈴木貫太郎役は、前回が笠智衆、今回は山崎努。原作は昭和史の専門家半藤一利。当時は文春の若手社員だったからノンフィクションの泰斗・大宅壮一の監修だった。

版権が半藤氏になり2006年「文春文庫」に収められた。内容は昭和20年08月14日正午から翌日正午の“玉音放送”があった24時間のドキュメント。阿南陸軍大臣から玉音放送を知らせるNHKアナウンサー和田信賢まで時系列で軍人・政治家・内閣の24人への照射だった。これは読み応えがある。

同じく半藤氏の監修で、4年前同じく役所広司主演で『山本五十六』を観ている。作品の全体の評判は知らない。架空の人物が多く史実に忠実ではなかった。だから登場人物の字幕は出ず、俳優は誰だか判っても太平洋戦争を少しでも知らないと消化不良の映画だった。“海軍善玉論”の映画と言われても仕方ない。

半藤氏が文藝春秋の若き社員だった頃『日本のいちばん長い日』の基になる座談会が昭和38年に挙行された。この内容は凄い、戦後まだ18年目だから多くの関係者が存命だった。料亭「なだ万」に28人が集合、半藤氏の司会で座談会が開かれたのは事実。これは『日本のいちばん長い夏』として新書で著わされ、5年前2010年、NHKのハイビジョン放送でドキュメント映画になった。演じる役者がユニークだった。28人の一部、経歴は昭和20年当時。

◇迫水久常 内閣書記官長 →   湯浅  卓(国際弁護士)
◇松本俊一 外務次官 →      中村伊知哉(慶応大学教授)
◇池田純久 内閣総合局長官 →  鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
◇徳川夢声 俳優  →        立川らく朝(医師・落語家)
◇志賀義雄 日本共産党幹部 →  田原総一朗(ジャーナリスト)
◇扇谷正造 朝日新聞従軍記者 → 松平 定知(元NHKアナウンサー)
◇村上兵衛 陸軍士官学校教官 → 市川 森一(脚本家)

俳優ではない人たちが長台詞を熟し、良質のドキュメント映画になっている。少しでも太平洋戦争の敗戦・終戦に興味があればこれは史実がよく解り飽きさせない。デジタル放送移行前だから静止画も抽出可能だった。

クリックすると元のサイズで表示します
0


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ