2019/12/5  23:46

タテ社会  読書
昭和40年代にベストセラーになったのがイザヤ・ベンダサンの『日本人とユダヤ人』。これは山本七平氏が著者ということが解っている。それ以前に中根千枝という学者が著わしたのが『タテ社会の人間関係─単一社会の理論』、昭和42年発行。中根氏は1926年生、94歳で健在、女性で初の東大教授、学術系では女性で初めての文化勲章受章者。前述の著書は100万部を超えているベストセラー。素人考えだが日本の高度成長経済時代、単に浮かれているのはどうかという自省でこの本がもてはやされたのか。

日本人論がブームだった頃、前述の2冊は繰り返し読んだが、悲しいかな寄る年波、個々の指摘は忘れた。日本の常識が世界の非常識。日本人の上下関係の強力な繋がりがエネルギーとなって「欧米に追い付き追い越せ」の高度経済成長を牽引した。つまりタテの繋がりとは何かが「タテ社会理論」と学術的に著わされたのがこの本ということ。

50年も前に書かれたこの「タテ理論」が今も有効らしい。契約を重んじる個人の資格が、企業を潤す核というのが欧米社会の歴史。日本では個人の能力ではなく、組織の成員としての奉仕と経験を重んじる“ムラ的”風土が「終身雇用制」となって企業を発展させた。今は個人の能力型に移行する過渡期に格好の案内書のひとつとして見直されているようだ。日本企業の反省の確認か是認の確認かは浅学非才なので知らない。中公文庫の『失敗の本質』が今も売れていることと相通じるものあるのだろう。

でもこれは日本の大企業や行政・自治体の組織の話。その序列や終身雇用の話の反省や分析の話で、煌びやかな目立つ向日葵でなく、筆者のような道端の密やかな月見草の庶民にはあまり縁の無い話だ。同じ黄の花でも違いがあるということで自分を卑下している訳ではない。

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