2011/2/11  15:44

活版印刷今昔03  印刷
丁度、元号が昭和から平成に移行する1989年頃に、活版印刷に翳りが見えてきた。それまで印刷と云えば活版印刷が主流で、先行して「日本経済新聞」などが「写植」による版面作成が大いに話題になった。今やワープロもお目にかかれないがパソコンが主流になったのは、ひとえにウインドウズ95が発売された、平成07年以降である。新聞社も大手印刷会社も多大な投資を繰り返し、今や完全デジタル化の印刷工程となっている。

活版印刷が完全にアナログの世界、アートの世界は悲しいけれども現実である。鉛の活字を鋳込み、文選して、植字工が割り付けに沿って版面を作り、写真やカットは銅板屋さんに注文して版に組み込む。写真がカラーで」あったら赤・青・黄・黒と4回印刷を繰り返すことになる。

40年も活版印刷の現場にいて活字の高さや大きさは、はっきり言ってあまり考えたことはない。現場では1ページでも多く仕事を仕上げるのが鉄則で給料にも差が出てくるということ。今日は鉛の活字の大きさを記したい。以下、昭和50年代に発行された小学館『万有百科事典』「科学技術」のお世話になる。

ワープロでもパソコンでも文字の大きさに10.5ポイントという半端な数字があるが、これは日本式の号数活字の名残りである。10.5ポイントすなわち5号活字が公文書の基本だった。文庫本や新書本の勃興で5号の下の6号では文字が小さいのでポイント活字が主流となってゆく。号数は次回にしてポイントは何の単位から来ているのか。現場の職人は、そんなことはあまり考えてもみなかった。どうやらヤードという長さを測る単位から来ているらしい。

すなわち1インチは2.54cm、72ポイントである。筆者が経験上あるとき気がついたことは60mmが170ポイントだったことにある。これで計算すると、
 170ポイント÷60mm=2.8333 1ミリは2.833ポイント
 60mm÷170ポイント=0.3529mm 10ポイントは3.53mmとなる。つまりはメートル法とポイントは互換性がないことである。むろん号数活字も同様。

紙の寸法はA4が世界標準らしい。297×210ミリである。だが印刷現場の職人出身はあくまでA4の用紙の寸法は842×595ポイントである。筆者はワードの文書でも単位をポイントにしてある。これでないと文書は作成できない。下記活字は実物大でないので念の為。

クリックすると元のサイズで表示します

クリックすると元のサイズで表示します
4

トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ