2011/2/12  22:54

活版印刷今昔04  印刷
昨日は、活字の大きさについて述べたが、ポイントは解るとしても筆者が、実質30年間を経験した号数活字の詳細は、はっきりしない。明治時代の初めの「本木昌造」が発明者と言うが、号数活字の元の元は何の単位かはっきりしない。鯨尺、輸入活字などの解釈がある。なにしろ「本木」すらが、(もとぎ)と(もとき)の二説がある。

ともあれ日本式の活字は5号が基本で、その倍が2号、その2倍が初号で42ポイントである。5号は計算したら3.7ミリだった。活版でいちばんの特徴は罫線と余白である。罫線は亜鉛で出来ていて罫切り機で容易に切れないと「組版」は捗らない。罫線8枚で5号全角である。従って罫線を15枚使用したら、どこかで1枚分組版のなかで「差を整える」ことになる。そうすると16枚で5号2倍となる。余白は「込め物」という活字の高さより低いもので埋めてゆく。5号なら、
5号×4倍長、2倍長、全角、2分、4分と込め物が用意されている。いずれも活字と同じ鉛で出来ている。

およその活版印刷の工程は原稿入稿→文選→植字→校正刷り→校正・訂正→組み付け→印刷となる。本は製本され、組版は解版となる。これらの画像は入手次第、このブログで添付したい。

添付は昭和45年11月に割腹自殺した三島由紀夫の生原稿である。まだコピーもワープロ・パソコンも無い時代だった。昭和以前の作家の原稿に赤鉛筆で数字が書かれているのを見た若者も多いに違いない。作家の原稿に直接、編集者が「活字の大きさ」「組み方」を指定した名残りである。文選職人はこれらの原稿を左手に文選箱と持ちつつ活字を一本づつ集めた。今は多くの作家がパソコンで入力、メールで出版社に送る。もうここで「文選」という職種も御用済みとなった。浅田次郎のペン書きでも、文字入力の若い専門家があまた控えていることになる。

画像は「山中湖文学の森・三島由紀夫文学館」のカタログより。「豊饒の海」の単行本は旧仮名・旧字である。

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