平成29年も、塾生、そして保護者様、さらには卒塾生の方々からの応援、そして励ましもあって1年間指導方針の点で筋を通すことができました。皆さんに感謝いたします。
「自主性にまかせる」「中学生には、宿題はださない」といった方針が今の子どもには無理ではないかと、最近卒塾生(すでにお子さんがいる)から言われたこともありました。時代は変わり、勉強するタイプの子どもの学力時間でさえも、いともたやすくゲームの時間にとって代わられ、相談を受けることも度々ありました。時には、お母さんから、父親も一緒にやっていますから・・と残念な声で言われることもありました。それには返事のしようがない。しかし、他の塾とは異なり、そのような環境のお子さんであっても成績を伸ばさないといけないという、従来であれば想定すらできない難題が求められることもあります。ある意味で臨機応変な対応が求められるわけですが、結局のところ、気持ちがお子さんに通じるかどうかだろうと信じています。
1年の終わりには、終わりらしい話もすべきでしょうが、昨日も今日も、そして明日も、ひとりひとりの学力を伸ばして、そのひとりひとりの人生に塾での時間が何らかの役にたてればという考えに変わるところはありません。「ここがわからない。」といった質問と、言葉だけではなく本気で成績を伸ばそうという行動を伴うような意志を生徒に求めます。明成塾では、学力は必ずあがります。入塾後に、現時点で学力の上昇があまりみられない場合に、授業後に必要とされる学習をやっているのか。志望校を掲げているのはいいが、それは本気なのかを再考するべきでしょう。成績を上げてほしいという強い気持ちで、成績を伸ばす方法や合格までの道筋を伝授しても、本人の側にその気持ちがなければ、うまくいくはずがないわけです。
生徒のみなさんには、成績アップの過程を客観的にとらえてほしい。例えば、某中学が、学年90人で、済々黌に合格するには、3位程度にいなければならない。そして今済々黌を志望しているが、その順位にほど遠いという場合、客観的には、今の位置だと合格できない。合格するには、3位以内に入ることが必要。3位以内に入るには、現在3位の者と同じくらいの点をとらないといけない。そのためには、学習時間を大幅に増やす・・・苦手をなくす・・といった具体的な話です。3位以内の者は、3以内の学力になるような学習経歴があり、今もそれを持続しているわけです。大幅な逆転が必要な場合には、それができるような生活に変えなければ無理。これは一例であり、他の高校を志望する場合も同じです。確かに、塾内では、かなり勉強しているお子さんがいます。しかし、これは現時点でのまわりのお子さんとの間での相対的な判断です。上位高校への逆転合格は難しく、過去の塾生が達成してきた一種の偉業は、何かを犠牲にしてのものだったかも知れません。学年60位台からトップに上がり済々黌に合格した生徒は、雪の日に「寒かったろ?」と聞くと、蒼白の顔で「大丈夫です。先生、授業お願いします。」と言いました。伸びてほしいという私の熱意を、はるかに超えた気迫がピリピリとした緊張を教室内に生み出していました。逆転合格するとは、そのようなことなのです。
2017年の総括として、私を驚かせるような量と質の学習を一人でも多くの塾生が、今この時からでもやってくれればということです。今日と言う1日も実力テスト前の一日、そして中3にとっては合格に向けた貴重な一日なのです。中1K君、中2M君、中2Sさん、中3K君に特に伸びを感じました。また、中3のI君にも努力のあとがかなり見られました。ひとりひとりの学習のシーンを思い出せば、きりがないほどの真剣なまなざしが塾内にはありました。しかし、あえて言います。
学力アップの道をきわめるには、それではまだ足りない。
平成29年 12月 31日
塾長 Z

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