聞けばわかることをなぜ聞かない 人間社会の縮図か
心理をあおられる仕組みをよく考えたものだというのももはや必要なかろう。
数年前に某大手塾からの転塾があった。その塾では、生徒を階層にわけて、競争心をあおっていた。「○○君は、**クラスだから」といった風に。実績評価として会社において営業社員を競わせているのにも似ている。おおくの日本人にはあっていたのだろうし、その心理をうまくついているのだろう。さてこの仕組みをつくるには、おおよそ2通りの学力層を準備しなければならない。ひとつは高学力の集団、たのひとつはその数倍のお客さんの集団。高学力の集団を集めるには、さまざまな特典を用意する。一方で、お客さんの集団に対しては、無料というキーワードを使ったりするかもしれない。トータルでの月謝などの納付金を高めにすることによって、全体の収益率をあげ、お客さんの集団にも一時的に喜びを与える。いつの間にか集団に取り込まれたお客さんたちのなかには、自分も上位の階層に上がろうという意志をもつものもあらわれるが、一方では多数がそのままお客さん状態で年月を経る。ある時期になり、トップまたは上位の階層者が、一定の割合で偏差値60以上の高校に合格していく。彼らは祭り上げられる。一方で、お客さんの人たちの多くは、そこには及ばない高校に進学していく。
とてもよくできた仕組みだと言いたいが普通。さらにこの仕組みの先には、次のレールが待っている。ここでアバヨという判断をする高学力集団もいるが、さらにその段階でお客さんとなる可能性も少なくない。この話は経験者はわかるだろうが、申し訳ないがそうではない方はつかみにくい話かもしれない。いずれにせよ、一定の集団にとってはメリットがあるだろうが、
成績を大幅にあげないといけない立場のお子さんにとってはどうなのか。それは親がしっかりと判断すべきである。多くの従業員を抱え、そして経営者には多額の報酬を払うという仕組みは当たり前にすぎない。
実は多かれ少なかれ、大手の塾はこのようなものであると思われる。そしてそのような塾のあいだでも合従連衡が繰り返される。中には変わり者の経営者もいて、このような世界にあきあきして業界を離れる者もいるかもしれない。いずれにせよ、誰もそのような者を批判できない。生きるとはそういうことだからだ。
ところで、納付される費用について転塾してきたお子さんの保護者の方が前の塾はとても高かったといわれたが、それは致し方ないことだ。なぜなら、そのお子さんの指導の対価としての面と人件費、そして固定費、広告宣伝費など多面にわたっての経費を保護者の払う納付金が支えているからだ。また、最初はあまり費用がかからないと思っていたが、いろいろとかかったといわれた。これも仕方がないことだ。それぞれの場面ですべて同意のうえでのことのはずだ。もし、年間の費用を詳細に知りたければ、またそれに付加される可能性のある費用を最初に知りたければ、そのことをしっかりと最初に聞けばいいだけの話だからだ。お子さんのその費用の、**%は人件費、**%は賃料、**%は・・・などとはだれもいわないが。大の大人があとあとから、思ったよりびっくりするほど高かったなどというのはおかしな話だと思う。費用のわりに成績がほとんど上がらないなどの話も聞くが、だったらさっさとやめればいいだけの話。
のどかな田園風景の田舎での少年時代に、庭に煉瓦でやってくるスズメを捕まえようと罠をしかけた。昭和の農家の庭のワンシーン。10歳にもまだならない少年は、どのようにすれば、スズメがコメを食べに来るのかを離れてみては観察した。そして、ある量のコメをおいたときに、スズメがやってきて、その後はうまくいったりいかなかったりであった。スズメのコメとの引き換えはその命だったのだ。幸いというべきかスズメの捕獲がうまくいったわけではない。たとえは悪いが、あのシーンのスズメと上記の塾のお客さんは似ている面がある。言い換えれば、そのような塾を運営している方々は少年時代に拵えたレンガの罠をそれが罠とは見えないようにやったのと同じようなことをしているようにも見える。しかし、この煉瓦の装置とちがっていて、そのような塾の場合には理性ある人間が対象であるということである。不思議にもスズメは本能でか、罠を回避するけれど、むしろ人間はシステムを知っていて自らそこの取り込まれようとするようにも見えて面白い。
ここでいい言葉も書いておくと、「あくまでもこれは個人の感想です。」となるが。
----------------------------------------
ご相談・お問い合わせ→
お問い合わせ(明成塾)
少人数定員制で学力を変える
熊高 済々黌 第一 第二 高専合格指導専門
高校数学 英語 個別指導
● 小学低学年からプロによる少人数指導
● 極める高校数学 基本からハイレベルまで丁寧に
明成塾 096−355−3089
明成塾のホームページはこちらです→
熊本の塾 明成塾

0