これから勉強しようと考えている人で、かつ「塾にでもいってみよう」と考えている人(ないしその保護者の方)に、もしかしたら役にたつかもしれない話を書いてみたい。
まず、単に塾に行くという行為を始めても成績はあがるものではない。君のまわりの多くの生徒がすでに、塾に通っていると思う。しかし彼ら(彼女たち)の中に、驚くほどに成績を伸ばした生徒がいるだろうか。もちろん、何人かはいるだろう。しかし、君が塾に通った場合に、その何人かに入る保証はどこにもない。じゃあ、果たして、ひとりで勉強してうまく行くのかと言えば、それもまたわからないとしか言えない。
当塾は、3年間国立高専や公立高校への受験者は不合格を出していない。
もし塾を選ばれる場合には、ご近所の塾で合格率をチェックされればいいと思う。合格率がある程度高い位置で維持できている塾は、塾に来てくれた生徒を合格させなければならないという、ある種の「使命感」があると思われる。もちろん、それだけでは結果は出せないわけで、合格へ向けた一定の方法論も指導者にあると考えていい。
保護者の方のなかには、その塾が子供に合うだろうかと言った不安を持たれる方もおられる。しかしながら、大人の世界に置き換えてものを見れば、不安は払拭されると思われる。
ある卒塾生である大学生が公務員試験の勉強をすることになった。その際に資格試験の学校に通った。彼にどのような基準で学校を選んだかを聞いた。するとやはり合格率を基準にしたとのことだった。
私は、これはごく当たり前のことと考えている。しかし、なぜか子供の基準は異なることがある。結果をださなければならないという気持ちの違いもあるのかもしれない。
やや具体的な話をしよう。
合格のポイントは、何と言っても学習時間だ。
試験問題を見たときに、何度も繰り返してやった問題を解くという状態に早い時期にしておくことだ。
通われている学校での学年順位と合格可能性の関係はだいたい知っているだろう。もし、今可能性が低い場合には、少しの時間も無駄にできない。早く合格力をつけるには、生活のスタイルを学習時間確保という視点から見直そう。部活が終わった人もいるだろう。即切りかえて、その時間を勉強に当てるといい。
塾に行く場合にも、その前に君自身が変わっておく必要がある。そして、不合格者を多発している塾は一応避けた方がいいと思われる。合格という観点からは選ぶメリットがないからだ。
ところで、ある電話で、保護者の方が「近所の塾でどこが合格率が高いかわからない」と言った趣旨のことをおっしゃった。当塾は全く他の塾とは関連がないので、残念ながら、その地域の塾については存じていない旨お伝えしたことがある。特に当塾のご案内はしなかった。当塾は小さい塾ながら、いろんな中学の生徒さんが来られているが、かなり遠方の場合には、ご近所の塾をお勧めすることがある。それは学習時間という点からだ。通塾時間がながくかかる場合に、その時間を学習に当てたほうがいいという思いがある。しかしながら、「かまわない」と言って来られる例もないではない。授業後に離れていく保護者様の送迎の車を眺めるにつけて、感謝の念ばかりではなく、この子を伸ばさなければという思いで一杯になるのである。

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