ある塾生のコメント
ぼくは、中3の7月にどこかの夏期講習で勉強しよう思った。
明成塾に通っている友達から、それまで何度か「成績があがるから来いよ」と誘われていたが、父が反対していた。父は明成塾のことは全く知らなかったが、「そんな塾に行ってもしょうがないだろ」とぼくの話にとりあってくれなかった。
ぼくは父の勧めである大手の塾の夏期講習を受講することにした。講習は大人数で全く質問などできるわけもなく、また静かではあったが、緊張していなければならない感じだった。夏期講習中も、明成に通っている連中とは話す機会があったが、毎日楽しく勉強できていて気軽に質問できる状況を聞くにつけ、どうして、ぼくだけが、わからないことはわからないままであるこんな状況で勉強しなければなならないのかと悩んだ。そして、これをすすめた父に状況を話した。その後、父は講習を見に来た。
「俺が悪かった。あんなんじゃ、お前には何にもならんね」父はそこでの講習をやめるようにぼくに言い、またその手続きをした。夏休みも中盤になっていた。父は明成塾に電話をした。自分の判断で、大手の塾にぼくをやったことや、今からでも入れるかなど問い合わせていた。
それからぼくは、明成塾に通い出したが、そこには全く違う世界があった。みなが理解できるまで何度も繰り返される説明、ひとりひとりがわかったかどうかの確認、だれでもできるようなことは自分でやるべきという教え。いつでも自習できる環境。
「いやあ・・子供は、最初からここが良いって言ってたんです。私の判断ミスです。」そう言う父。
「私だって、まったく塾とは無関係ならば、お父さんと同じような選択をしたかもしれませんよ。こんな小さな塾で大丈夫か?と思いますよね」と塾長はわらった。
結局、ぼくは、その大手の塾で「合格はむずかしい」と言われた高校に合格したが、あのまま通っていたらどうなっていたかわからない。結局、塾を選ぶのはその人にあっているかどうかだと言えばそれまでだが、自分の役に立たない塾を選ぶのはムダとぼくは思う。友達が伸びているというぼくの話を無視し、父を動かしたのが何だったのかと思う。

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