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2005/1/31
今日は株式について学習します。
【株式とは】
株式とは、会社に対する出資者の地位のことです。そしてこの地位を紙上に表したものが株券です。
株式会社においては原則として株券を発行し自由に株式を売買、譲渡することができます。
参考までに、有限会社の出資者の会社に対する地位は持分という言葉で表されます。
持分は株式会社の株式に該当するものですが、この持分については、他の出資者以外の人に売買、譲渡するには社員総会の承認を受けなければなりません。
【株主の権利】
(自益権)
自益権とは、株主の経済的利益となる権利のことです。
具体的には利益配当請求権、残余財産分配請求権、新株引受権、株式転換請求権、株式買取請求権などがあります。
(共益権)
共益権とは、会社の利益や運営に関する権利のことです。
具体的には議決権、代表訴訟提起権、取締役等の解任請求権、解散請求権などがあります。
(単独株主権と少数株主権)
株主の権利には、一人の株主が単独で権利を行使できる単独株主権と、会社の発行済み株式の一定の割合以上もしくは,一定数以上の株を保有する株主(単独でも複数でも可能)に限って行使できる少数株主権とがあります。
自益権は、株主自身の利益のために認められている権利ですので、すべての株主が自益る権利を単独で行使できる単独株主権ですが、共益権には単独株主権と少数株主権とがあります。
【株式の種類と形式】
(無額面株式)
無額面株式とは、定款上、額面金額の定めがない株式のことをいいます。
平成13年の商法改正以降、企業で発行される株式はすべて無額面株式となりました。
(優先株・劣後株)
優先株とは特殊株の一種で、利益の配当あるいは残余財産の分配のいずれかについて権利内容が優先的になっている株式のことをいいます。ただしその代わり、会社の経営に参加する権利(議決権)については制限されるのが一般的です。
一方劣後株とは、利益の配当あるいは残余財産の分配について劣後的取扱いを受ける株式のことをいいます。劣後株を保有する株主は、普通株に一定の優先配当又は優先的分配をした後に配当又は分配を受けることになります。
(議決権制限株式)
議決権制限株式とは、議決権を行使できる事項に制限のある株式のことをいいます。
なお、議決権制限株式の総数は、発行済株式総数の2分の1を超えることができないと定められています。
(転換予約権付株式)
転換予約権付株式とは、他の種類の株式に転換できる権利の付いた株式のことをいいます。
(強制転換条項付株式)
強制転換条項付株式とは、他の種類の株式に強制的に転換できる株式のことをいいます。転換は、会社側の都合により行われます。
【単元株・端株制度】
(単元株制度)
単元株とは、銘柄ごとに決められている最低売買単位のことです。株式の売買を単元株の整数倍で行う制度を、単元株制度といいます。議決権は、単元株ごとに与えられます。
なお単元株制度では、発行企業が最低売買単位(単元)を自由に設定できるようになりましたが、1単元の株式数の上限は1000株で、株式総数の200分の1を超えることはできません。
(端株制度)
端株制度とは、株式の1株に満たない端数で1株の100分の1の整数倍にあたるものを端株として一定の自益権を認める制度です。
端株主には、配当請求権、残余財産分配請求権、新株引受権、株式転換権などの権利が認められています。また会社に対していつでも買取請求を行うことができます。
なお端株制度については今後の法改正で単元株制度と一本化されるようです。
次回は株券と株主名簿について取り上げます。

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2005/1/30
既述のとおり、先週、経営品質協議会のセルフアセッサー認定研修が行われました。
さまざまな企業の方々とグループ合議をさせていただきましたが、診断士の2次試験問題を解く上でちょっとした「気づき」がありましたのでここに書きとめておきたいと思います。
それは1月26日の投稿の中でも紹介しました「問題点の深堀」です。
ちょっとその内容をもう一度コピーします。
『これは診断士の事例対策として大いに役立ったのですが、現象面を問題点と結論付けず、その中に隠された真因を探ろうと対話を繰り返していった点です。真因を見つけない限りは経営そのもののプロセス改善につながらない。ここはグループの中でかなり意識するようにしました。』
これだけのことなのですが(ゴメンナサイ)「当たり前じゃないか」と言わず、もうしばらくお付き合いください。
実はグループ合議をしている最中、「事例T第3問」で「業績低迷を加速化させている組織的要因」を答えさせる問題が頭をよぎりました。
私の答えは以下のとおりでした。
『業績不振を加速化している組織的要因は、40代の中間管理職が不在な点である。A社の社長は就任時より現在の幹部職員と組織変革に取り組んだが、次代を担う社員の採用や育成を怠ったため環境変化に対応できなかった。』
これこそ「与件から読み取れる現象面の問題そのもの」であり、「その中に隠された真因」を全く無視した解答なのです。
ではこの問題についてグループ合議で答えを導き出していくとしたらどうなるでしょう。
まず
・40代の社員が1人しかいない
・幹部職員はすべて50代後半から60代前半、しかも社長就任以来30年間変化なし
・2000年に取引先の紹介で採用した総務部長のおかげで売上高人件費比率が急激に悪化。
と現象面の問題を列挙します。
そしてここから『なぜこういった問題が生じているのだろうか?」という議論が始まります。
「中間管理職がいない→将来を見据えて計画的な採用を行っていない→計画性がない」
「30年間変わらない高齢の経営幹部→主要顧客依存体質→保守的」
こういったプロセスにより、組織の内部に存在する問題点に踏み込むことが出来ました。
参考までに診断協会が発表した出題の趣旨には『本文は、A社の業績不振を加速化している原因の一つが、A社の組織文化、組織風土、組織構造などの組織的要因にあることを前提に、企業の組織的要因が業績に対して、どういった影響を及ぼすかについて、その理解を問うものである。」とあります。
やはり表面上の問題から一歩踏み込んだ解答を要求していたようです。
なお「問題の深堀」と「問題の深読み」は全く違います。
「問題の深読み」にならないように気をつけることも忘れてはいけないですよね。
【参考】事例Tの振り返り
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/28.html
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/31.html

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2005/1/30
今日はWEB研修対策に入る前に会社法の改正について触れておきます。
ご存知のように近年めまぐるしく商法改正が行われております。
今、経営法務について整理している途中ですが、商法改正についてはかなり気をつかっております。
そんななか、ひとつお断りしておかなければならないのが平成17年度も大幅な商法改正があり、今現在投稿している記事の内容に変更が生じる点です。
一例をあげれば、最低資本金規制の廃止にともなう株式会社への一本化(有限会社がなくなる)や端株制度の廃止などです。
それらを大和総研さんがうまくまとめていらっしゃいますのでご紹介します。
http://www.dir.co.jp/research/report/law-research/commercial/041209commercial.pdf
ただし施行自体はだいぶ先の話ですので試験対策としてはあまり気になさらないでください。

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2005/1/29
今回は「会社の設立」において発起設立、募集設立、定款以外で試験対策上必要なものをピックアップしていきます。
【発起人の権限】
発起人の権限は営業行為には及ばないが、設立に関する事項のうち次のようなものとされています。
@設立に必要な行為
定款の作成、株式の引受・払込に関する行為や創立総会の招集など
A開業準備行為
会社が成立後すぐ営業を開始できるよう、土地・建物・設備等を取得したり、原材料の仕入れを行うなどの行為です。
最高裁の判例では財産行為については権限を有するが、開業準備については権限を有しないとされています。
【会社成立の場合の責任】
(資本充実責任)
会社設立のためには定款で定められた株式総数の引受と払込があることを要し、これを欠くと設立登記で会社が設立しても設立無効となります。
つまり資本充実責任は設立無効を回避するために課された責任といえます。
資本充実責任には以下のようなものがあります。
@引受担保責任
会社成立後にまだ引き受けのない株式を、共同で引き受けたものと見なされる責任です。
A払込担保責任
払込のない株式を、連帯して払込をする責任です
B給付担保責任
現物出資に不履行がある時、その分の価格の支払いをする責任です
C実価不足額填補責任
現物出資などの場合に、物価変動などによってその実際の価格が定款の価格に不足する場合に、その不足分を支払う責任です。
これらは発起人と取締役が負います。なお発起人は、会社の設立が不成立になった場合にも、責任を取らされる事があります。
資本充実責任のところで覚えて欲しいのは「預合」と「見せ金」です。
「預合」とは、発起人が銀行から借り入れをして、その借入金を設立中の会社の預金に振り替えて形式上払込に当てるものです。
また「見せ金」とは、発起人が払込取扱機関以外から現実に借り入れた金員を株式の払込に当てて、会社をいったんは設立させるが、会社設立後、直ちにその払込金を引き出して、自らの借入金の返済に当てるものです。
大変難しいのですが、「預合」については、引受人の払込義務は消滅しないし、発起人および成立当時の取締役は払込担保責任が生じます。また発起人は刑罰も科されるとされています。
銀行についても払込金保管証明書を要求があれば発行しなければならず、これを発行した場合には会社に対して払込金返還請求を拒みえないとされています。
「見せ金」については、発起人及び会社成立当時の取締役は払込担保責任を負い、自ら見せ金を実行した発起人と同意した発起人全員は会社に対して連帯して損害賠償責任を負う。さらに第三者に対しても連帯して損害賠償責任を負うとされています。
また払込取扱銀行が、見せ金であることに悪意重過失である場合には、保管証明を出した場合預合と同様に払込金返還請求を拒みえないとされています。
(任務懈怠責任)
発起人は、善管注意義務を怠り会社に対して損害を与えた場合には損害賠償責任、悪意重過失がある場合は第三者に対して損害賠償責任を負うとされています。
また取締役・監査役については調査義務があり、これを怠り損害を与えた場合には会社や第三者に対して損害賠償責任を負うとされています。
なおいずれについても総株主の同意があれば免責されます。
【擬似発起人】
発起人ではないが、株式申込証、目論見書、株式募集広告、その他株式募集に関する文書に自己の名前および会社の設立を賛助する旨の記載をなすことを承諾した者をいいます。
これについては発起人であるかのような外観形成に一役かっているため、相手方の善意を条件に発起人と同一の責任を負うことになります。
以上で会社の設立に関する事項は終わりです。
次回から【株式・株券・株主名簿】についてまとめていきます。

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2005/1/28
研修のため2日ほど更新が遅れてしまいましたが、今回は定款について整理します。
なかなか雑ぱくとして覚えるのが面倒なところですが我慢してください。
【定款とは】
定款とは会社の目的・組織や運営に関する根本規則で、会社自らの行動を規制するものです。
定款に記載すべき事柄は法律により定められ、記載事項は大きく3つに分けられます。
@ 絶対的記載事項
A 相対的記載事項
B 任意的記載事項
以下にこの3つを整理していきます。
【絶対的記載事項】
文字通り必ず記載しなければならない項目です。
@ 目的
A 商号
原則として株式会社という文字を入れます
B 本店の所在地
C 会社が発行する株式の総数
取締役会の決定で発行することができる授権資本枠を株式数で示します
D 会社の設立に際して発行する株式の総数
会社設立に際して発行する株式総数は、発行予定株式総数の4分の1を下回ることはできません。
ただし譲渡制限のある会社はこの限りではありません。
E 会社が広告をなす方法
F 発起人の氏名、住所
【相対的記載事項】
一言で言えば「記載したときに限り有効」な事項です。
相対的記載事項は商法などの各条文で個別に規定されていますが、会社の設立に関しては前回登場した変態設立事項が重要です。
変態設立事項とは、会社の設立に際して、現物出資や財産引受け、発起人の受けるべき特別の利益、報酬についての定款上の定めのことをいいます。
これらの規定は会社の財産に影響を及ぼし債権者等の利益を害する恐れがあるので、原則として、裁判所の選任した検査役の調査を受けなければなりません。
変態設立事項以外の項目には
@株式の譲渡制限
A株券布所持の申し出の排除
B株主総会の議長
C取締役の任期の延長についての規定
D取締役の選任についての累積投票の排除
E取締役・監査役の数
F補欠監査役の任期の短縮
などがありますが、必ずしも覚えなくてもいいと思います。
【任意的記載事項】
記載しなくても効力に影響はないが、記載すると法的な拘束力を持つ項目です。
例として
@営業年度
A議決権の代理行使の代理人の資格の制限
B利益配当の除斥期間
C定時株主総会の開催時期
などがあげられますが、こちらも必ずしも覚えなくてもいいと思います。
次回は会社の設立におけるその他のポイントについて取り上げます。

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