常に「挑戦者」であることでkurogenkokuは成長を続けます。
そしてkurogenkokuは「人の痛みのわかる診断士」を目指します。
2005/8/31
先日公開した「平成16年度組織人事事例」の解答について、パヤシさん、pionさんから添削コメントをいただきました。
お二方とも【第5問(設問1)】について指摘されています。
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パヤシさんの添削
http://blue.ap.teacup.com/jukennikki/438.html
pionさんの添削
http://blog.livedoor.jp/pion/archives/30866616.html
【kurogenkokuの解答】
(第5問設問1)
既存のフォーム事業をどのように変革すべきか。根拠も含めて。
(解答)
A社は業務効率化ノウハウと小口取引を核に、積極的に顧客分散化を図るべきである。根拠は、@小口取引により大手との価格競争を回避し高付加価値化を実現、A顧客分散により業績変動リスクを回避、できるためである。
【パヤシさん、pionさんが指摘した解答の問題点】
・結論→因果(結果)間の部分で若干つながりにくい部分があった。
・現状よりもより具体性が欲しい。
・顧客分散の方向性は納得ですが、小口と大口という切り口は類推し過ぎでリスクがないでしょうか?
【pionさんが指摘した問題点の具体例】
小口取引というのは、与件文中で言うと、中小企業を取引先として開拓していくのか、それとも企業の規模に関係なく開拓していくのかが、すこしわかりずらいきがしました。
高付加価値化というのは、企業なのか、製品なのか(ほぼ製品だとおもいますが)若干わかりにくい点がありました。
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それを踏まえてもう一度与件を整理してみました。
「与件文中より」
@現在、資本金1,000万円、従業員数21名(パート社員を含む)で、売上高3.5億円、経常利益3期連続マイナス。
A現状の体制を維持していくためには、4.2億円の売上高が必要。
B最新設備を導入した大手印刷業者が大量印刷体制を強化し、低価格競争に拍車がかかった。
C2001年度決算では売上高が4億円を下回り、経常利益もマイナスに転じてしまった。
DA社の顧客の整理
(1)保険会社a社(主要顧客)
・かつて郵便物配信の業務効率化に協力し、保険担当者と盤石な人間関係を築き、A社は業績を伸ばした。
・業界再編の中、大幅な体制変更があり、今後の取引が不透明。
・現在も売上の30%を占めているが取引額は減少傾向
(2)家電メーカーb社
・a社同様1970年代からの主要顧客。
・現在も売上の20%を占めているが取引額は減少傾向。
(3)電機メーカーc社
・1998年には2%程度の売上構成だったが、現在は約20%の売上構成。
(4)中小宅配業者d社
・2000年から取引が始まり、現在5%の売上構成。
(5)その他の顧客
・1998年、約35% → 現在約22%の売上構成
・ただし1998年にはこの中にc社やd社も含まれていると思われ、c社やd社と「その他」を含めれば割合は増加している。
そしてもう一つの注目すべき与件文。
E主要顧客別売上構成比を見ると、1998年当時と比較して主要顧客との取引額が減少し、電機メーカー(c社)や中小宅配業者(d社)などの新規取引先だけでは、その不足分を補填できないばかりではなく、取引の継続にも不安が残っている。
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以上から導き出された方向性は、
・@、A、Cより「売上高の回復」が急務。ただし第4問で「早急な人件費の削減策」を提案しているので、損益分岐点は4.2億円より下がるかも知れない。
・そのためにはD、Eより「売上高の回復」が見込める顧客の開拓が必要。
→ a社、b社は取引が不安定、DやEより「その他の顧客」の開拓を行っていくことが妥当。
・Bより大手印刷業者と「事業ドメイン」の明確な切り分けを行い、価格競争を回避しなければならない。 → やはり「小口取引」
ここで【第2問】であげた主要顧客依存型事業のデメリット3つを見る。
・主要顧客の業績変動や組織体制変更により、業績が不安定になる。
・安定的志向に陥るため、新規顧客開拓意欲が薄れ営業力が低下する。
・主要顧客の値引き要請が強まるため、コスト削減対応を迫られる。
↓ ↓ ↓
・主要顧客依存型から脱却すれば、主要顧客の業績変動によるリスクを回避できる。
・新規顧客開拓には(低下していると思われる)営業力の強化が前提。
ということで
(第5問設問1)は以下のように修正します。
【修正解答】
A社は営業力を強化し、小口需要を持つ新規顧客の獲得による顧客分散化を進めるべきである。小口取引は大手の低価格競争を回避でき、新規顧客獲得による顧客分散化は売上増や業績変動リスク回避につながるためである。
【pionさんが指摘した問題点について】
@小口取引というのは、与件文中で言うと、中小企業を取引先として開拓していくのか、それとも企業の規模に関係なく開拓していくのかが、すこしわかりずらいきがしました。
上記のように与件情報との整合性を図った結果、小口ニーズを持つ「その他の顧客」の開拓という結論に達しました。
これは企業の規模に関係なくということです。
一般的には「小口ニーズ = 中小企業」と書きたくなりますが、類推できるレベルを超えており明言は避けました。
A高付加価値化というのは、企業なのか、製品なのか(ほぼ製品だとおもいますが)若干わかりにくい点がありました。
「小口取引により大手との価格競争を回避 = 高付加価値化」は言い過ぎだったかもしれません。
よって修正版の解答では「高付加価値化」という表現ははずしました。
【その他】
公開した解答中「業務効率化ノウハウ」について。
与件では「a社に対する郵便物配信の業務効率化ノウハウ」と書いてあります。
新しい顧客は「その他の顧客」であり、「業務効率化ノウハウ」は「その他の顧客」を開拓する上での「強み」にはあたらないと判断し、これも削除しました。
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この解答で正解とはいいきれませんが、さらに事例の深堀ができ、良い復習になりました。パヤシさん、pionさんありがとうございました。

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投稿者: kurogenkoku
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2005/8/31
おはようございます。
kurogenkoku@4時30分起床です。
FSP宣言します。
【本日の学習】
MP2次公開模試組織人事事例戦略シート作成
ロジカルシンキングトレーニング
財務対策(経営分析)

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投稿者: kurogenkoku
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2005/8/30
おはようございます。
昨朝、私の解答をアップして、その日のうちに2人の隊員さんに「添削」していただけました。
いいですね〜、超高速添削♪
「池乃掘正太郎さんの添削」
http://plaza.rakuten.co.jp/ikenobori/diary/200508290001/
「sinnkaさんの添削」
http://evolution-note.seesaa.net/article/6345915.html
その中で「池乃掘正太郎さん」より2点、解答の問題点を指摘されました。
ちょうど良い復習なので、今朝はこの点について時間を割きたいと思います。
【指摘1】
第2問、主要顧客に依存すると、主要顧客の値引き要請が強まる?
(私の解答)
主要顧客の値引き要請が強まるため、コスト削減対応を迫られる。
(解答に至った理由)
・与件文中「長期不況の下でコスト削減策を求める顧客圧力」というフレーズを重視したため。
・取引を主要顧客に依存した場合、「ファイブフォースモデル」のうちの「買い手の交渉力」が強まると判断したため。
いきなり「主要顧客の値引き要請が強まる」と書いてしまったので、そのあたりが伝わりにくかったのかなという気がしています。
もし解答を修正するならば「主要顧客のバイイングパワーが強まり、コスト削減対応を迫られる。」としたほうが、因果関係がはっきりするかもしれませんね。
【指摘2】
第3問、次世代幹部の育成については少し無理があるのでは?(与件にその記述が無い)
(私の解答)
業績不振を加速させた要因は、保守的で計画性のない組織体制にある。経営幹部の高齢化は組織変革意欲を低下させ、また次世代幹部の採用・育成も行われていない。結果、情報通信技術の発展に迅速に対応できなかった。
(解答に至った理由)
この設問が最も難しかったと思います。
それは「与件の『現象面』だけ指摘したのでは答えにならない」からです。
具体的に解答に至ったプロセスを公開します。
まず与件から以下を拾い上げました。
@A社の従業員構成・・・平均年齢43歳
(経営幹部)
副社長・・・おそらく60歳前後
営業部長・・・50歳代後半
工場長・・・60歳代前半
生産部門長・・・50歳代後半
総務経理部長・・・50歳代後半
(一般社員)
営業職・・・30歳代2名、40歳代1名
生産部門・・・30歳代中心に8名、その他パート社員2名
総務経理・・・20歳代の正社員1名、パート社員1名
ここからわかること。
・平均年齢43歳と高い
・ただし40歳代から50歳代前半の社員は1人しかいない。
→ いわゆる中間管理職層が存在しない。(採用していないか、辞めてしまったか)
A与件のフレーズ
「A社の歴史を振り返ると・・・(中略)・・・、急逝した父の後を受け継ぎ30歳代前半で社長に就任した現社長は、・・・(中略)・・・、現在では幹部社員となっている若手社員とともに新しい事業体制を作り上げた」
ここからわかること。
・現体制になってから30年間、経営幹部が変わっていない。
以上から
1.経営幹部の高齢化
2.中間管理職が不在
3.30年間変わらない経営幹部
が見て取れるわけですが、これをそのまま理由としても解答は成り立たないと思っています。
たとえば
「業績低迷を加速化させている組織的要因」→「中間管理職が不在だから」
*中間管理職がいないと業績が低迷するの?
という感じです。
つまり1.〜3.の現象がなぜ起こったのかを考えなければなりません。
それで
「経営幹部の高齢化」「30年間変わらない経営幹部」→『保守的』
「中間管理職が不在(次世代幹部の採用・育成なし)」→『計画性なし』
↓
『保守的で計画性がない組織だから、情報通信技術の発展に迅速に対応できない』との結論に至ったわけです。
ただ私が反省すべきは、これらの過程が「添削者」に伝わらなかったことです。
よって(与件にその記述が無い)との指摘を受けてしまったんだなぁと思っています。
TKPでは今後の課題を宣言することになっておりますので
【課題】
採点者に「その結論に至ったプロセス」がわかるような表現にする。
【TKP宣言】
採点者に「なぜその結論に達したのか」わかりやすい文章の作成を心がけます。
他の隊員の添削もお待ちしています。

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投稿者: kurogenkoku
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