2008/2/5
kurogenkokuです。
ここのところ「私生活ネタ」が多いので、たまには真面目な(?)エントリーを。。。
すでにご存知の方も多いと思いますが「取引相場のない株式等にかかる相続税の納税猶予制度」が適用されるようになります。
具体的には
@納税猶予の軽減割合
・非上場株式にかかる80%の相続税額が納税猶予
→従来は10%
A適用要件
・中小企業基本法上の中小企業
・軽減対象となる株式は発行済み株式総数の2/3以下
B適用対象
(1)被相続人
・会社の代表者であったこと
・同族関係者とあわせて過半数かつ親族内で筆頭株主であったこと
(2)相続人
・会社の代表者であること
・相続により同族関係者とあわせて過半数保有かつ同族関係者の中で筆頭株主となる場合
これで「相続人が死亡時まで株式を保有し続けた場合など一定の場合は、猶予税額の納付を免除する」といったありがたい制度なのであります。
たとえば、被相続人である経営者が資本金1000万円で会社を設立。その後、会社が業績を拡大していくにつれて、評価額が数億円となり、多額の相続税が発生し、事業承継が円滑に進まなくなるというのはよくある事例。
そういった点を踏まえれば、この制度が出来た意義は大きいと言えます。
ただし、全く問題がないかといえば、そうでもありません。
まず、適用対象をみてわかるとおり、その対象者はかなり絞り込まれます。
また、相続税の法定申告期限から5年のあいだに事業継続要件を満たさなくなった場合には、納税猶予額の全額を納付しなければなりません。
さらに、事業継続期間後に株式を譲渡した場合、譲渡された株式等が納税猶予対象株式に占める割合に応じ、猶予税額を納付しなければなりませんし、条件を満たさなくなった場合は、相続税の申告期限からの利子税もあわせて納付しなければならないという落とし穴があります。
そうはいっても税制面での優遇制度という点では間違いないです。
ただ経営面の様々な角度から、長期的な視点で検証していくことが重要だと思います。

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投稿者: kurogenkoku
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