kurogenkokuです。
508冊目は・・・。
高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学
菅原 晃 著 河出書房新社
まず感じたのが、とても丁寧だということ。三面等価、国際収支表、貿易黒字(赤字)等々のロジックについてどうしてそうなるのかをしっかり説明されています。診断士の経済学のテキストではさらりと飛ばしてしまうところを100ページくらいかけて書いてありますので、サブテキストとして使ってもよいかもしれません。
ただ著者が断っているように、経済学の基本的なところに絞っているためすべてをカバーしているわけではありません。またタイトルはマクロ・ミクロ経済学となっていますが、ほとんどがマクロ経済学の話です。
経済学の話になるといろいろな考えをお持ちの方が多いので、好き嫌いは当然分かれるところですが、リフレ政策やアベノミクスが好きな人にはお勧めでしょう。
最後に。
著者が高校教師で「高校生からわかる」というタイトルがついていますが、ちょっとでも経済学をかじった生徒でないと理解するのは難しいかなと思いました。
【目次】
第1章 GDPの三面等価
1.GDP・GNPとは
2.名目GDPと実質GDP
3.GDPは所得総額
4.ISバランス
5.ISバランスから言えること
第2章 企業の赤字と貿易赤字の違い
1.会計表
2.国際収支表はどのように作られるのか
3.貿易黒(赤)字の意味
第3章 貿易黒字について
1.経済成長と貿易黒字
2.不況で貿易黒字増
3.日本は貿易赤字国に「転落」?
4.貿易はゼロサム・ゲームではない
5.貿易黒(赤)字に意味はない
第4章 リカードの「比較優位論」
1.貿易の拡大
2.日常生活は貿易
3.得意分野に特化
4.比較優位論は、単純かつ難解
5.特化
第5章 国債について
1.日本の国債金利が低いわけ
2.財政破綻
第6章 財政政策と金融政策
1.財政政策とはなにか
2.財政政策・金融政策を検証する(IS-LM分析)
3.流動性の罠 現在の日本
4.アベノミクス

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