kurogenkokuです。
1000冊目は・・・。
【kindle版】
捨てられる銀行3 未来の金融 「計測できない世界」を読む
橋本卓典 著 講談社現代新書
平成最後の日に、記念すべき1000冊目のエントリー。仕事が忙しかったので、読書の時間もままならずここまで来てしまいました。
振り返ると、読み始めたのが2008年11月ですから10年半くらい続けてきたことになります。フォトリーディングをはじめたのがきっかけでしたが、いまはその技法にはあまりこだわっていません。ただフォトリーディングから学んだ「その本に対してしれたいことを問いかけ、その答えを見つけに行くような読み方をすること」「とにかく本を読むことを習慣化し継続すること」、この2点は非常に良かったと思っています。
さて本書の内容。森金融庁長官から遠藤金融庁長官に代わって、金融行政がどうなるか理解するうえで参考になります。森金融庁長官、最後はスルガ銀行問題でバツが悪くなってしまったところもありますが、これまでの金融行政を顧客本位に180度変えたイノベーターとしては、その功績は多大だと思います。
本書でも触れているように、銀行本位の数字的ノルマからの脱却、つまり「計測できない世界」としての顧客満足度の実現は理想的方向性であり、かくあるべきと思うところがあります。
相変わらず本書は辛らつ的な内容が多いのですが、あくまでも実務の中で金融機関と密接に付き合っていると、出来ている金融機関とそうでない金融機関の違いは敏感に感じます。
金融機関のためにしかならないと思われるような商品の販売がノルマ化され、それに奔走する営業マン。また斬新なイベントを展開するのは良いのですが、顧客に参加を無理強いし、本来あるべき姿とは違う方向に向かっているようなところも。
一方、前向きなビジネスマッチングを展開し、その過程において設備導入需要を創造し、資金供給に結びつけている金融機関。ほんとよくやっているんです。
つい悪いところばかり目が行きがちになりますが、良いところはよいと素直に認めるのも必要なんじゃないかと。以上、個人的感想です。
【目次】
第1章 金融革命とポスト森金融行政
第2章 20年の金融ルールが変わる
第3章 「共感」と金融
第4章 さよなら銀行
第5章 「計測できない世界」にどう対処するか

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