2015/11/28

湯本香樹実「岸辺の旅」  Art・本・映画


ここ数年、死を題材にした本や映画やドラマに触れている。
311の影響か、ここ数年で親族や知人との別れがあったせいなのか。
本では、いとうせいこうの「想像ラジオ」、木皿泉「昨夜のカレー、明日のパン」、
西川美和「永い言い訳」、荒木惟経「チロ愛死」。
映画・ドラマは「悼む人」、「ソレダケ」、「その街のこども」「ど根性ガエル」。
特に木皿さんの本「昨夜のカレー・・」は何度も何度も読んだ。
「ソレダケ」「ど根性ガエル」には胸に響くセリフがいくつもあった。

先週、湯本香樹実の「岸辺の旅」を読了。これも「死」を題材とした小説。
黒澤清監督、深津絵里、浅野忠信主演で映画化されているが、こちらは未見。

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失踪した夫・優介が3年ぶりに妻・瑞希の元に突然帰ってきて「自分は蟹に食べられて
死んだ」と告げる。つまり、現在ここにいる優介は「幽霊」なのだ。
瑞希は戸惑いつつも夫婦で、幽霊になった夫の3年間の遍歴をたどり直す旅に出る。

優介は普通に動いて歩き食事も仕事もする。他の人に見える。普通の人間と変わらない。
優介が失踪中に出会った人々との交流を通し瑞希は夫の知らなかった部分を知る。
その中で心は落ち着きを取り戻し、旅が永遠に続くことを願うが・・・・。


静かな・・静かな物語だった。物語は瑞希視点で進み瑞希の感情の揺れが描かれる。
対して優介や他の人物の心理描写は全くない。静かにそこに佇んでいるだけ。
読み進めるうちに何度もこの人たちは実は優介同様、幽霊でとっくにこの世に
居ないんじゃないかと思えた。いや瑞希でさえ幽霊じゃないか、と思った。
この物語では生と死が対立していない。すぐ隣にある。繋がっている。
そのことに・・・妙な安心感を感じた。


幽霊か。。。ときどき亡くなった親父や友人に逢いたくなる。どうしようもなく。
優介みたいに幽霊になって逢いに来ないかな?
でも、フと気づく。オヤジも友人もオレの下には現れないだろうって(^_^;
親父とオレは決して仲が良くなかった。友人とも「大の親友」だったワケじゃない。
彼ら、彼女らが幽霊になったとしても、真っ先に会いにいくのは「オレ」じゃぁない。
多分・・・別の人だろう。
でも、まぁそれでもイイ。オレ自身が逢えなくても、大切な人が別の形で
この世界の何処かに居る。そう想うと嬉しくなる。それは決して悪い事じゃない。

それにもしかしたらオレは会っているのかも。自分で気づいてないだけで。
ヨモちゃんが偶に家の中で誰も居ない廊下や壁を観ているけど、もしかしたら
「来ている」のかも知れない。ヨモちゃんにはそれが見えるのかも。
そのうちオレにも見えるかな?

幽霊である、ということは成仏してないってこと。ホントはこんなこと願っちゃイケナイ。
でも・・でも・・若しも叶うなら・・・逢いたい・・・よ。
貴方と・・もっと・・逢いたかった、もっと・・話したかった。

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2015/11/24

THE COLLECTORS TOUR 2015 "SUPER DUPER" @六本木EX THEATER  コレクターズ

昨夜は嫁と六本木にコレクターズのLIVEを観に行きました。
ツアー最終日、加藤クンのバースデイ記念LIVE。
ボク等は1階アリーナ(笑)コータロー側で見る。
音もバッチリ。コータローが弾きながら凄いアクションを決めている。
リーダーの声もよく通っている。
去年の元春クリスマスLIVEでも思ったけど、このハコ音が凄くイイ!
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客席には長年のファンだけでなく最近コレを知ったらしい若いファンもいる。
ボクの近くの20代くらいの男の子が一緒に歌い拳を振り上げている。
ウン、素晴らしい眺めだ。
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演奏は勿論、ロック漫談も相変わらず絶好調。
「蛙の鳴き声話」には腹抱えて笑いました(T▽T)。
後半は「3Dメガネ」でスタート。一気に燃えました。
こういう初期のパンクナンバーはホント好き。
本編最後の「Tシャツレボリューション」の客席とのコール&レスポンスもバッチリ。
(初日横浜で加藤クンからダメ出し&歌唱指導があった^^;)

アンコールではバースデイケーキが持ち込まれ、皆で加藤クンのバースデイをお祝い。
そうか〜55歳か。直枝さん56歳、元春59歳、チャボさん64歳。
ロック界にはステキな先輩がイッパイいるな。

「リグレイ」でガムを投げる。「僕はコレクター」で手を振り回す。
ラストは「DA!DA!!DA!!!」。嗚呼、愉しかった。コレはやっぱサイコーだ。
ライブの後は友人、嫁と打ち上げ。こちらも愉しかった。
帰宅すると寂しかったのか、ヨモちゃんが「え″〜ん」と泣く。
ゴメンゴメン。(^^;
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コレは来年春に大きな場所でのライブがある。楽しみ。
更に場合によっては、もっと大きな場所でのLIVEもあるとのこと。
来年はデビュー30年。
来年のリーダーのバースデイは是非「大きな玉ねぎの下で」祝いたいもんです。
コレは今までだって色んな奇跡を起こしてきた。
きっと実現できるさ。V(^^)

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2015/11/20

七尾旅人 / 映像:ひらのりょう「特殊ワンマン・兵士A」@渋谷WWW  七尾旅人

木曜日の夜、渋谷WWWに七尾旅人のLIVEに行ってきた。
LIVE名は「特殊ワンマン・兵士A」。
現在、七尾クン「第二次世界大戦〜現在〜2020年オリンピック」
を「未来の視点」から描いたアルバムを制作中。
同時に七尾クンは現在の日本を「戦後でなく戦前」の意識で捉えている。
今回はそのコンセプトを活かしたLIVE。
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会場WWWは映画館を改造したライブハウス。
入場早々、プログラムが配られる。本日演奏曲目を掲載。
今回LIVEは全曲目、継ぎ目なしで演奏しMCの曲目説明も無いため予めプログラム
を配布したとの事。既存曲2曲、カバー2曲以外は全て未発表曲。

ステージの後ろのスクリーンには映像作家ひらのりょうによる映像が映っている。
七尾クン登場。軍服を着て坊主頭。手元のサンプリングマシンからノイズが溢れる。
アルバム「911FANTASIA」収録の「戦前世代」から開始。
立続けに歌われ映像とノイズが流れる。MCも拍手も歓声もなし。
観客はひたすらステージ上で起こっていることを目撃。
最初は少々つらかったが、直ぐに惹きこまれた。

「ぼくらのひかり」はある一家の一生と時代の流れを描いた大作。
第二次世界大戦、炭鉱、石油、原発、911、311。時代に翻弄される小さな家族。
やがて世界は戦争となり、息子は少年兵として参加。戦時下の様々な光景が紡ぎ出される。
戦時中の恋愛、サイクリング、ショッピングモールの買い物、平和な光景。
同時に軍隊の行進、無人ロボットによる殺戮が併存する世界。
アトムの愛らしい足音、それが殺人マシンのけたたましい機械音に変容する。
2020年東京オリンピックで湧く世界、歓声。その歓声はやがて銃声と悲鳴に変わる。
七尾クンは異国の言語を叫びエアガンを客席に向け鉄パイプでドラム缶を殴打する。
渋谷の中に出現した架空の戦場、暴力と狂気。
客席にいるオレも「第三者」でいられなくなる状況。恐怖感、戦慄と共に興奮を覚える。

後半、アルバム「911FANTASIA」収録の「airplane」が奏でられる。
NY世界貿易センタービルに突っ込む飛行機に乗るパイロットを描いた歌。
響き渡る飛行機の飛び交う音。七尾クンの叫び。不気味だけど美しい。
最後は「誰もしらない」。障碍、貧困、戦争、差別、無関心。
「誰もしらない」というフレーズが何度も何度も繰り返される。
この曲で壮大且つ実験的なこのLIVEは終わった。

時計を見たら何と10時45分。実に4時間。途中から時間の経過を忘れていた。
客席からは惜しみない拍手が続いていた。
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何とも挑戦的なライブだった。いや、ライブと言うよりは演劇、アート。
視ている間、ずっと苦しかった。楽しさ・開放感ゼロ。でも、視てよかった。

先週の「うたのありか」では「愛と自由と相互理解」が高らかに謳われた。
それは素晴らしく勇気を貰えた。
一方、七尾クンが表現したのは「暴力、憎悪、無関心、平和の儚さ」だった。
軍服を着て銃を客席に向け鉄パイプを振り回すパフォーマンスについて、
「悪趣味」と眉をひそめる人がいるかも知れない。
でも、「戦争・暴力」って悪趣味でイヤなモンだ。それを描くのは大切な事だ。
ロックやアートは「平和」を謳いあげるだけでなく暴力や憎悪に
正面から向かい合う役割もあるのだ。
そこに真正面から取っ組み合った七尾クンには拍手を送りたい。

このライブ、東京で1回きりの開催なんて勿体ない。
是非ライブ音源か映像をパッケージにして発売してほしい。
若しくは、この内容で全国各地を巡回して公演してほしい。
これは多くの人が目撃すべき「問題作」だ。

七尾旅人・・やっぱり凄い。凄すぎる。
次のアルバム・・・絶対聴こう。聴かなくちゃ。

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2015/11/16

「うたのありか2015」リクオ+中川敬、Guest高野寛@代々木Zher the ZOO   山口洋(HEATWAVE)/仲井戸Chabo麗市/RIKUO

日曜日は代々木Zher the ZOOにリクオ&中川敬の「うたのありか」を観に行きました。
このライブは3年前から参加、すっかり毎年の恒例行事になりました。
今年のゲストは高野寛。高野クンとリクオ、中川がどう絡むか観たかった。
前日パリで悲しい事件があった。
このタイミングで同世代のシンガ―3人が何を歌うのか、しかと見届けたかった。


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入場、リクオの旧いCDを購入しているうちに椅子席は埋まってしまった。(^_^;
ボクはステージ左手で立ち見。でもステージ全体の動きが見える好位置。
先ずはリクオ、中川が登場。2人とも上機嫌。リクオは何度もお客を煽り拍手を要求。
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「うたのありかツアー」は未だ続いているのでネタばれは最低限で。
「Happy Days」が早い段階で演奏されたのはビックリ。
4曲ほどやってゲスト高野寛を呼び込む。高野ファンも多いみたいで拍手が凄い。
リクオの紹介が良かった。
リクオ「一見爽やか。でも実は武骨なシンガーソングライターと思います!高野寛!」
「一見、爽やか。でも無骨」。正に言いえて妙。
高野クン、多分アウェーの気分だったろうが盛大な歓迎ぶりに嬉しそう。
以下3人の会話。
 中川「高野クンは昨日のゲストと違って上品。オレと似てるね」
 リクオ「髪型だけな」中川「実は同じ美容院に通っててね」
 リクオ「でも高野クンはサラサラヘア―。キューティクル度が全然違う」
 高野「爽やかと言われて25年。でも爽やかさを25年やるのも大変なんだよ」

高野クンは「ベステンダンク」「グリーンDAKARAの歌」「虹の都へ」とヒット曲中心に演奏。
一方で土曜日に起きたパリでのテロ事件を受けて「いつの間にか晴れ」。
初期の暗い感情を描いた歌。でも最後ポジティブに着地する。それが見事。
更にボブ・ディランの「時代は変わる」に日本語詞をつけて歌う。
安保法案、デモ、SEALDS、最近の世相をストレートに織込む。
過去も社会的問題を歌で取り上げてるけど、それはあくまで「さりげなく」だった。
でも今回は直球。ストレート。高野クンとしても黙っていられないんだろう。
リクオの言う通り「武骨なシンガー」。そう柔らかいけど硬い芯を感じた。
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以降、中川、リクオソロコーナー。
中川の取り上げる歌もやっぱりヘイトや政治的抑圧から開放を歌った歌が多い。
「平和に生きる権利」がガツンと来た。
リクオは新曲中心で。AKBの「前しか向かない」へのアンサーソング「Look Back」
そして「あれから」が素晴らしかった。来年出るニューアルバムが楽しみ。
「パラダイス」。例の語りが愉しい。ただ歌詞は意外と悲しい。
「夢はかなわない、虹はつかめない、帰る場所はない、君は戻らない」。
否定を沢山並べたうえで「ここから始まる」と歌う。そこが何ともせつなく刺さる。

ここからは3人セッションで。
高野クンの「確かな光」にリクオのピアノが美しく響く。これも喪失と再生の歌だ。
中川が喋ると客席笑う。「なんでオレが歌うと言うと皆笑うねん?」と中川不思議そう。
多くの亡くなった友へ捧げられた「死ぬまで生きろ」は素晴らしかった。
リクオはニック・ロウ「Love,Peace,Understanding」にオリジナル詞をつけて。
歌う前のMC「愛と平和と相互理解。真っ当やね。何が悪いねん?こんなときに
綺麗ごと言わんとどうする?」。柔らかい物言いだったがリクオの覚悟を感じた。

そして、3人でキヨシローの「デイドリームビリーバー」!
この3人は皆キヨシローと繋がっている。自然に客席は一緒に歌う。ウン、素晴らしい。
更にスーパーバタードッグのカバー「さよならカラ―」!
歌うはリクオ。高野クンのギターが入ることでリクオソロとはまたニュアンスが変わる。
そして此処では中川のコーラスが素晴らしかった。
それは続く「夢の中で会いましょう」でも同じ。
中川の声、こういうポップな曲でも引き立つんだなぁ。
「夢の中で・・」は客席は高野クンに促され、一緒に「La la la」と歌う。
そして、そのままの流れで「アイノウタ」へ!この流れは素晴らしい!
後半、リクオが前に出てくると高野クンも中川も前に出てくる。
ステージに3人が仲良く並ぶ姿には場内クスクス笑う。高野クン凄く愉しそう。
自分のライブより弾けてるんじゃないか?(T▽T)

アンコール。はっぴいえんどの「風を集めて」、「満月の夕」「光」と名曲連発!
「満月の夕」で高野クンが「イ―ヤ―サッサ」のコーラスを歌ったのにはジンと来た。
自分の好きなシンガ―が自分の大好きな、大切な歌を歌う。この光景に唯感動。
演奏が終わった後、リクオが「いい歌やね」と呟いていたのが印象的だった。
そして最後「光」。いつものように3人で歌いまわすのでなくメインはリクオで。
でも最後は高野クン、中川のコーラスで締めた。
リクオ、最後「うたのありか、ここにあり!」と叫んで終了。

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ライブ会場を出た後、笑顔になっている自分に気付いた。
大惨事の翌日、リクオ、高野クン、中川とこの日、何を歌うか逡巡したと思う。
その逡巡の末に歌われたのは攻撃や闘いの歌では無く、優しさや温かさに満ちた歌だった。
特に洋楽カバーが素晴らしかった。3人の平和への想い、祈りが伝わってきた。
その素晴らしい歌に触れてオレは凄く開放された。満ち足りた気分だった。
まさに「うたのありか、ここに在り」だった。


帰ってから会場でゲットしたリクオの「Rollin」を何度も聴いている。
2002年のライブアルバム。名曲「ケサラ」を収録。
この曲と「パラダイス」を何度も聴いている。
そして、また高野クンの「美しい星」も繰り返して聴いている。

パリで亡くなった多くの方の死には心から冥福を捧げます。
また傷ついた方が早く元気になるように心から祈ります。
そして、テロリズムには怒りを覚える。でも・・オレはイスラム国を敵視したくは無い。
そこでも矢張り多くの一般人が命を落としている筈だ。
そこで亡くなった人、傷ついた人にも同様に祈りを捧げたい。
早く、戦争が終息することを、誰も死なない傷つかない世界が来るよう祈りたい。

ヨモちゃん、オレは・・・闘うのはイヤだ、キライだ。相手が誰であろうと、だ。
「愛と平和と相互理解」、それが一番だ。ね☆

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