2015/12/3

山谷ほしのいえイベント「遠い道を歩き続ける」寺尾紗穂ミニライブ  寺尾紗穂

10月の「りんりんフェス」で寺尾紗穂のライブを初めて見た。
ただ当日ヒロシLIVEと重なり途中退出。もう1度見たいなと思ってたら今週地元のイベント
でミニライブがあると言うので勇んで参加。

クリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示します
○「ほしのいえ講演&ミニライブ 遠い道を歩き続ける」

前半は労働問題に取組む鴨桃代さんの講演。
鴨さんは全国ユニオンの委員長で全国各地の労働問題の解決に取り組んでいる。
過重労働、不当な契約切り、メンタル問題の様々な事例を紹介。
働き過ぎで鬱になり生まれた子供のことさえ認識できない父親の話には言葉が出ない。
某有名娯楽産業のダンサーやパフォーマーに対する不当な契約切りの話はショックだった。
美しい「夢の国」で働く人が「夢を持てない」現実。
他にもバイト学生の都合を考えずムリなシフトを入れる会社。
高速バスの運転手に正当な報酬を払わないバス会社。

遥か昔から続く搾取の構造。いつになったら変わるのか。
鴨さんは「今回のイベント名は『遠い道を歩き続ける』です。ホント遠いです。
まだ終わらない。そして良くならない。益々悪くなってる。でも、だからこそ続ける」
と力強く語って講演は終了。

労働問題は情報としては知っている。でも、直接取り組んでいる方の話を聞けたのは
有意義だった。自分自身がどう係るか、は何とも言えないが、こういう支援活動が
あるというのは認識しよう。
クリックすると元のサイズで表示します
その後は寺尾さんのライブ。
(セットリスト)
1.時よ止まれ(弾語り)
2.死んだ男の残したものは(武満徹・谷川俊太郎COVER)
3.いくつもの(Wソケリッサ伊藤さん)「りんりんフェス バックレ」を詰問(笑)
4.思い出どおり(W ソケリッサ 横内さん)
5.私の好きな人(w ソケリッサ 小磯さん)
6.楕円の夢(W ソケリッサ全員)
7.アジアの汗(W ソケリッサ全員)

美しく優しいピアノの弾語り。でも歌われる世界は過酷。
今回は路上生活経験者のダンスチーム「ソケリッサ」も参加。
あるダンサーが語った「会社で上司に暴力を振られロンドンに逃げたら凄く自由に生きれた。
でも日本に戻ると同じ様に自由には生きれず苦労した」話が印象に残った。
自分が自分のまま、自由に生きれない、生きることを許さない風潮って何なんだろう?
昨今もそんな風潮が蔓延している。自分の気に入らないモノを「偏ってる」と叩く風潮。
それはとても偏狭で息苦しく見える。それで皆シアワセなんだろうか?楽しいんだろうか?

寺尾さんの歌に合わせてソケリッサのメンバーは踊る。
美しくもなく精巧でもないダンス。寺尾さんの前に平気で立ちふさがり、ドタドタ音を立てる。
でも、フツーのオッサンたちが楽しそうに踊るその様は素晴らしく自由で羨ましかった。
見ながらいつの間にか、涙が出てきた。オレ、こんなに自由に生きてるかな?

クライマックス「楕円の夢」が歌われる。歌う前に寺尾さんは語った。
円は1つの中心しかなく決まった形しかない。でも楕円は2つ中心があって
自由に形を変えられる。視点を変えれば自由になれる。
若者もいざとなれば「逃げる」のもいいんだ。寺尾さんはそう語って歌う。
「どちらもほんとのこと そんな曖昧を生きてきた」
「明るい道と暗い道 狭間の小道を進むんだ」
寺尾さんの歌にのって踊るソケリッサ。何かステージが明るい陽だまりの様に見えた。
最後は「アジアの汗」。寺尾さんが嘗て会った山谷のおじいさんの想い出話。
ソケリッサはお客さんも巻き込んで踊る。素晴らしい眺めだった。


講演会、ライブどちらも感銘を受けた。「遠い道を歩き続ける」か・・・。
オレがやってる東北支援もそうかも知れない。終わりは見えない。
でも・・・やめるわけにはいかない。やるしかない。

「楕円の夢」・・・よかったな。「あいまいに生きていく」「あいまいを受容れる」
それは右か左か決めるよりもステキに思える。
オレもそんな風に生きていきたい。ね、ヨモちゃん♪
クリックすると元のサイズで表示します
0

2015/10/5

「りんりんふぇす」@南青山梅窓院  寺尾紗穂

土曜日は原宿に嫁と奈良美智の展覧会を観に行く。
ビルの一室をギャラリーとして利用。例の鋭い視線の少女の顔を描いた大きな絵皿を展示。
作品名も作品解説も素材の説明も一切なし。グッズ販売もなし。
何とも素っ気ない。でも、それは同時に「潔い」とも言える。
アートは理解するモンじゃない。感じるモンだ。爽快な気分で会場を後にした。
http://www.blumandpoe.com/exhibitions/yoshitomo-nara-6?lang=ja

昨日の午後、「りんりんふぇす」に行ってきた。
シンガ―寺尾紗穂とビッグイシュ―が路上生活者支援のために行なっているイベント。
このイベントのチケットを買う=雑誌ビッグイシュ―を買う=路上生活者の収入になるというシステム。
寺尾さんは「原発労働者」を読んで以来、ライブを見たかった人。
当日夜は山口洋のライブがあり途中までしか見れないが、それでも見たかった。
会場は南青山にあるお寺「梅窓院」。開場前だが中に入ると春巻やおにぎりが振る舞われる。
チケットのイラストがとてもカワイイ♪
クリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示します

ステージは普段法事に使っているホール。ステージ上に仏様を祭る祭壇がある。
お客さんも老若男女様々な層がいる。普段のロックライブとは明らかに違う客層。
先ずは寺尾さんが登場して挨拶とライブ。毎年お客さんが増えていることへの御礼。
想像通り「柔らかな語り口」をするヒトだ。ピアノに向かってライブ開始。

1曲目は「いくつもの」。最新アルバム「楕円の夢」に収録のバラード。
喪失、悲しみを短いけど丁寧に温かく描いた歌。大好きな曲がいきなり来た。ツンと来た。
その後は今年のツアーを通じて生まれた新曲を立て続けに演奏。
いずれも人のつながりを温かく捉えた歌ばかり。でも、グサリと刺さる様な歌詞もある。
ピアノの音、寺尾さんの透明な・・シルクの様な声。聴き入ってしまった。
再び「楕円の夢」から「愛よ届け」。これも好きな曲だ!
「愛よ届け」の「け〜」からの声の伸びが素晴らしい。(^_^;
ここで、ソケリッサ(路上生活者のダンスチーム)との共演。
ただメンバー5人なのに2人が来ない!(T▽T)。寺尾さんも客席も笑う。

何かその笑いが心地よかった。本当ならライブをいきなり欠席なんてとんでもない話だろう。
でも、それを笑って済ませることが出来る寛容さ、風通しの良さが心地よかった。
曲は「アジアの汗」。寺尾さんが学生の頃逢った「土方のおじいさん」をモチーフにした歌。
ボクが初めて聴いた寺尾さんの歌。ユーモラスで温かくて、でもどっか切ない。
寺尾さんの歌とピアノに合わせてソケリッサが踊り出す。何とも珍妙なダンス。
おじさん3人がユーモラスに踊っている様は可笑しい・・・同時に優しい。

ソケリッサのダンス、寺尾さんの歌、ピアノ。なんだろう?この自由さは?温かさは?
普段、感じない感覚。騒々しく苛立っている都会の片隅にいきなり陽だまりが登場した様な感じ。
思いがけずも[そこ]はとても心地よかった。寺尾さんのライブはここで終了。

その後は「とんちピクルス」と「柴田聡子」のライブ。
ウクレレを使ったユーモア&エロいっぱいのとんちピクルスのライブには爆笑。
柴田さんと共演した「濡れマンボ」、あれお寺でやっちゃいかんでしょ?
ウクレレ教室に通う女子の心模様を描いた「ウクレレ教室」も爆笑した。
柴田さんは声が小さい。何ともイタイ女子を歌い綴る。これも笑った。
第1部はここで終了。ボクは吉祥寺に行くのでここで退出。

ネットを見ると、この後も素晴らしかったらしい。
寺尾さんとソリケッサが「楕円の夢」(名曲!)で共演したりテニスコ―ツとソリケッサの
共演も良かったらしい。うーん、見たかったなぁ。
クリックすると元のサイズで表示します

路上生活者の支援イベントだけど、別に堅苦しいムードは無く、
そこにいる人がオンガクや踊りやお喋りをただただ楽しんでいた。
ライブという「特別の場」では無く「日常の延長にある歌」がそこに存在していた。
おそらく昔のオレなら、そういうのは興味が無かっただろう。
でも、昨日はそこが心地よかった。
そこには自由さと表現の豊かさがあった。小賢しい理屈や説明は無く、ただただ解放されてた。
「りんりんふぇす」次回も必ず見よう。今度は途中ヌケで無く全部見よう。
そして、寺尾さんのソロライブもそのうちチャンと見ようと思う。


ヨモちゃんは家の中でキモチよさそう。キミも自由でイイねぇ。
クリックすると元のサイズで表示します
0

2015/9/2

寺尾紗穂「原発労働者」  寺尾紗穂

シンガー&エッセイスト寺尾紗穂が著した本「原発労働者」。
寺尾紗穂は七尾旅人のユリイカ特集で知り、幾つか作品を聴いた。
柔らかなラブソングが主流だが、社会的テーマを扱った曲が幾つかある。
原発について歌った「私は知らない」という曲もある。作品を集める中でこの本に出会った。

寺尾さんは学生時代から路上労働者の支援活動を行い支援音楽イベントも開催している。
2010年、樋口健二の「闇に消された原発被爆者」を読み、衝撃を受ける。
2011年3月福島原発事故が起き、原発に対して議論が起こる中、現場の労働者の話が出てこない。
労働者の視点ぬきで原発を語るのは片手落ちではないか。
そう考えた寺尾さんは樋口さんの仕事を引継ぐことを決心する。
様々な伝手を頼りに原発労働者に実際に会ってインタビューし、この本にまとめた。

労働者が語る原発の労働環境にはコトバがつまる。
以下、証言の内容で印象に残ったもの。(現在は「改善」されている物もあり)
※証言者の証言の真偽を論じる気は有りません。ボクは彼らの証言を信じます。

「環境について要望を出したり文句を言ったら仕事を干された」
「現場で怪我をしても電力会社に報告しない。無かったことにする」
「線量を浴びて体調が悪くなっても医者に知識が無いので原発の影響か明確に判断できない」
「会社を辞めた後、体調を崩して労災認定を求めたら嘘の証言がされて却下された」
「防御マスクは暑くて役に立たない。だから外す。現場では線量の事なんて気にしない」
「トイレに行きたいとき防御服を脱ぐのに時間が掛かり作業場で排泄することがあった」
「以前は技術者を育て安全管理もチャンとやっていた。でも効率化の名のもとに
 納期が短くなり十分な作業準備が出来なくなり時間を掛けて技術者育成が出来なくなった」
「保険料も危険手当も貰えない。ピンハネされている」
「危険な仕事をやる外人労働者が居る」

危険な環境で働いているのに十分なサポートが無い。
上記の問題は電力会社の管理だけでなく下請の問題もある。
下請けが電力会社に気を遣って必要な対応をしない。(事故報告の隠蔽。数値の改竄)
結局は他の労働問題と同じ。「多重構造、中抜き、労働者いじめ」。
この国に以前から巣くっている問題がここでも顔を出す。

一方で原発は仕事が無いヒト、貧困に困る人の受け皿にもなっている。
派遣切り・リーマンショックで仕事を失った人が最後に辿りつく仕事。給料は結構良いし。
証言者の何人かは「仕事が無いと困る。最低限度で原発は動かした方が良い」と言う。
オレは基本「脱原発」だが彼らの意見を単純に「ダメ」とは言えなかった。
原発が果たしているセーフティネットとしての機能・・・・。
それに代わるセーフティネットは現在(いま)あるんだろうか。

寺尾さんは過去原発について「問題はあるだろうが、まぁ必要だろう」程度の意識
だった。しかし今回、原発労働者の問題に触れ、その意識を改める。
「私は何も知らずに生きてきた。それは人が人を踏んづけて生きてるのと同じだ」と。

この本を読んで、同じことをオレ自身も感じた。
福島原発事故の後、色々知って感じたこと。
オレは東京で使っている電気が福島で作られていたことを知らなかった。
そんなことも知らずにノウノウと電気を消費していた。
まして、原発で働いている人のことなんて考えなかった。
オレも原発で働く人を踏みつけて生きてきたのだ。

いや、それは「原発」だけじゃないだろう。
昨今「早く・安く」のサービスが当たり前になっている。
24時間営業のコンビニ・レストラン、低価格の色んなお店。
従業員の人は十分休めているのか?十分な給料を貰っているのか?
サービス優先、競争優先、効率化の名のもとに十分な保障を蔑ろにしてないか。
オレたちユーザが便利さを求めた挙句、結果「働く人を踏みつける社会」
になっていないだろうか?

寺尾さんはこの本のあとがきで「原発労働者を遠くに感じている限り『ひとごと』。
で終わってしまう。『ひとごと』を『わがこと』として考えてみる」と綴っている。

この本を読んだからって原発労働者が自分の身近な問題になったか?は疑問だ。
自分に何かが出来るとは思えない。あまりにもデカい・・デカい問題だ。
でも・・この本を読んで、寺尾さんの「私は知らない」を改めて聴いて思った。
寺尾さんに会ってみたい。このヒトの歌を直接聴きたい。
だから10月にある「りんりんふぇす」に参加しようと思う。
http://singwithyourneighbors2015.jimdo.com/

寺尾さんが路上労働者支援のために開催してるイベント。
彼らも色んな意味で社会に踏みつけにされてきた(失礼<(_ _)>)。
先ずはここに行って考えたい。
原発労働者の問題も、きっと・・きっとこの先に繋がっている筈だ。
何をしたらイイかなんかワカンナイ。わかるわけがない。
でも、考えるのをやめたらそこで終わりだ。
だから、かんがえよう。まずはそっからだ。こっからだ。
クリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示します
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ