えへへ〜♪ 今日は特別な日、なんだよ。
えっ? 何の日か……だって?
ううー、もう、イジワルなんだから〜〜。
……本当に……覚えてないの?
そんなこと無いよね〜。
あなたが忘れてるわけないもんね、信じてるよ。
信じてる。
他の誰がなんて言おうと……あなただけ、信じてる。
だって今日は特別な日。
神様がくれた……一番大切なおくりものの日、なんだから。
えっ? 自分でそんなこというのか……だって?
ううー、やっぱりイケズだよ〜。
そう、確かに今日は私……涼宮 遙の誕生日、だよ。
でも……でもね。
私にとってはそれ以上に大切な日、なんだから。
フフ、何の日だか……わかる?
まだ、誰にも言ってない日なんだよ?
やっぱり……覚えてない、よね?
あの……白陵柊に入学する前のことなんて。
あの日も……そう、今日みたいに一日ずーっと雨が降ってたんだよ……。
雨の日は憂鬱になる人って多いと思う。
私も本当のことを言うと……雨の日は嫌いなんだ。
でも……私にとってその日は、嫌いなはずの雨ですら……おくりもの、だったんだ。
あの日、雨の中……お母さんと茜と私の3人でデパートまで行ったんだけど……その途中、私だけはぐれちゃって。
あ、今……やっぱりって思ったでしょ?
なんでわかったんだーって思ってる?
フフフ、顔にそう書いてあるもん♪
少しずつ、あなたのことがわかるようになってきたんだ。
これって……すっごくうれしいよね。
私のことも……わかる?
遙はわかりやすいからな……って、あーっなんだかばかにされてる気分だよ〜。
もう……本当にイジワルなんだから〜。
あ、話がそれちゃったね。
それでね、仕方が無いから私、先に家に帰ろうって思って歩いてたんだ。
そしたら急に、ものすっごく強い風が吹いてきて……傘がね、飛んでいって、川に……落ちちゃったの。
本当にお気に入りの傘だったんだよ……。
わたし、悲しくって悲しくって……ただ、呆然と傘を見てたんだ。
そんな時、一人の男の子が何も言わずに川に入って私の傘を……とってきてくれたんだ。
でね、こっちを見もしないで傘だけ私に差し出して。
私が傘を受け取ると……自分は傘もささないで走って行っちゃったんだ。
お礼を言う間もないくらい、すっごく速かったなぁ……。
フフ、思い出してくれた?
でもあなたは私の顔なんて見てなかったから……覚えてないかも、ね。
そのときの男の子が……ね、あなたなの。
本当に……うれしかったんだよ。
普通、そんなこと出来ないよね?
知らない子が傘を落としたくらいで、まだ冷たい川の水に足を濡らしてまで拾ってきてくれるようなこと……そんなやさしい人。
あなたをはじめて知った日。
あなたのやさしさをはじめて知った日。
口には出せなかったけど……心の中で『ありがとう』ってあなたに告げた……はじめての日。
だから、今日は特別な日。
あなたと私のアンブレラ記念日。
私とあなたがはじめて出会った……神様がくれた大切な日。
私が、あなたを好きになって本当に良かったと思える……そんな日。
この日が、あなたにとっても『一番大切なおくりもの』だったら……うれしいな。
だからこの日は、私にHappyBirthDay!
私の幸せをあなたに届けたい。
だから……これからもずっと一緒にいられるように……おまじない。
夜空に星が瞬くように……
溶けた心は離れない。
たとえこの手が離れても……
二人がそれを忘れぬ限り。
(おまじない文章、キャラクターなどはAGEさんに著作権があります。
日記じゃないって突っ込みは不可です)
って、3年前の日記ネタでお茶を濁してみるテスト。

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