僕がK駅などいわゆる「路上」と呼ばれる所でウクレレを弾きながら歌うようになって、途中若干のブランクはあるもののもう6年になります。にもかかわらず、相変わらず「集客力皆無」のウクレレ弾きです。周りには毎回お客さんが必ずいる様な路上演奏家は何組もいます。中にはギターを始めて半年で、というユニットもあります。正直に言って、「すげーなー。」と思います。とてもかないません。僕のこの6年間、成長がないなぁ、と思います。いや、むしろ一番活発にやってた5年前にはまだ止まってくれる人がたまにいたことを考えると、だんだん下手になっとるのかなぁ、とも思います。
ただ、言い訳になりそうな事実も幾つかあります。止まってくれる人が減ったことに関しては、数年前はゆずの影響が強くて路上演奏に対する皆の関心が高かったこと、景気が更に悪くなってること、路上にたむろしてる人による犯罪が増えたこと、皆が飽きて来たことなどが挙げられると思います。また、元から僕のお客さんが少ないことについては、基本的に曜日や予定を決めてやってなかったこと(最近はささやかに予告するようにしてますが)、MC(喋り)をほとんどやらないこと(喋りが面白いと固定客が付き易いように見受けられる)、その時のヒットチャートとほとんど無関係の曲しかやらない、などが挙げられると思います。番外編として、声がでかいので近くに来なくても聞こえるからお客に見えない、というのがあるかもしれません。以前、見たことのない人に「いつも遠くで聞いてます」と言われたことがあります。お客さんというのは、1人前に止まってくれると2人目、3人目は結構止まってくれ易くなります。だからお客さんをたくさん集められうかどうかは「いかに1人目を止めるか」、もっといえば「いかに1人目になってくれる固定客を付けるか」にかかっていると思います。
しかし、だからといって、例えば曜日を決めて毎週やるようにしたり、お客さんとちゃんと面白い喋りをしたり(無理だけど)、今流行ってる曲をやったりしようとは思いません。それをやってもお客さんが集まらなかったらショックだから、というのも若干なきにしもあらずですが、一番大きな理由は「飽くまで音楽だけで、自分が良いと思う音楽だけで勝負したい」と思うからです。誤解されるといけないのでことわっておきますが、お客さんがたくさん集まる路上演奏家は皆音楽だけでは勝負してない、ということではないです。音楽だけで勝負して、お客さんがちゃんと集まる人もいます。そういう人は僕の理想です。爪の垢を煎じて飲みたいです。僕も音楽だけで勝負してお客さんを集められるくらいの力を付けたいと思うので、これからも凹みながらこんなことを続けていくんだと思います。まぁ、行き詰まりの感も否めませんが。
いつも僕は1人でやってます。が、1人でやりたいから、という訳ではなく、音楽の趣味が合う人がいないからです。本当はソロではなくハモりがしたいです。2人組のユニットとかで綺麗にハモってたりするとうらやましいです。が、音楽の趣味が合う人で一緒にやってくれる人がいないので1人でやっています。たまに現れますが、仕事が忙しくてなかなか来れなくなってしまったり、転勤で遥か彼方へ行ってしまったりします。
1人でやってた方が良いこともあります。まず、打ち合わせが要りません。好き勝手できます。身軽です。一方、困ったこともあります。留守番がいないので一度広げてしまうとトイレや買い物などに行けなくなります。ミスった時に目立ちます。やれることの範囲が狭いです。ハモれません。喋りでボケても突っ込んでくれる人がいません。突っ込みたくてもボケてくれる人がいません。弦が切れるなどのトラブルの時にお客さんが退屈します。(ウクレレの弦はそう簡単に切れませんが。)
どうも困ったことの方が多いように思います。でもまぁ、しょうがないのでこれからも1人でやるでしょう。

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