本来は、今回の記事では、
日本共産党の【科学観】について、真面目に
【建設的な】批判を展開しようと、思っていたのですが、党中央への私の「質問」に対して、私が聞いてもいないオマケが付いた回答が来た事で、思いっきり【脱力】して殆ど書く気が失せたので、それ(回答)をそのまま「晒す」事にします。
私が前回までの記事で、真面目に「脱原発」について【具体案】を検討していても、党中央が、下記(↓)程に【空想的】であれば、そりゃ幾ら党中央も【具体案】を早く出せ!!…と要望しても、「ナシのツブテ」だった筈ですわ…
(以下↓、私が「電源三法」に対する当時の日本共産党の態度について「質問」したメールへの回答全文)
Date: Mon, 30 May 2011 17:32:52 +0900
From: info@jcp.jp
To: atsushi_iga@hotmail.com
Subject: RE: 質問 (電源三法への対応について)
メールありがとうございました。
電源開発促進税法、特別会計に関する法律(旧 電源開発促進対策特別会計法)、発電用施設周辺地域整備法の電源三法に、日本共産党は反対しています。委員会や本会議で反対討論もおこなっていますので、国会図書館のHPで議事録をご覧いただけます。
「原子力の平和利用に賛成していたから、電源三法にも賛成したのでは」という疑問は、原子力の平和利用といえば、現在の原発以外にありえない、という思い込みにもとづくものだと思います。
現在の党綱領を決める過程で、綱領改定案についての「質問・意見に答える」発言をおこなった不破議長(当時)は、以下のように述べています。
「私たちは、党として、現在の原発の危険性については、もっともきびしく追及し、必要な告発をおこなってきましたが、将来展望にかんしては、核エネルギーの平和利用をいっさい拒否するという立場をとったことは、一度もないのです。現在の原子力開発は、軍事利用優先で、その副産物を平和的に利用するというやり方ですすんできた、きわめて狭い枠組みのもので、現在までに踏み出されたのは、きわめて不完全な第一歩にすぎません。人類が平和利用に徹し、その立場から英知を結集すれば、どんなに新しい展開が起こりうるか、これは、いまから予想するわけにはゆかないことです。」
ですから、日本共産党は「原子力の平和利用」について、「当時」だけでなく、現在も認めています。
同時に、現在の原発を「原子力の平和利用」だといって賛成したことは一度もありません。
こうした立場は、不破社研所長の古典教室での講義をまとめたパンフレット『「科学の目」で原発災害を考える』所収の「原子力問題にかんする決議」(1961年・18中総)以来、一貫したものです。
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日本共産党中央委員会
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(以上↑、引用終わり)
そりゃ、医療用の(極小規模の)原子力までは、私だって「否定」はしないけどさ…
発電所として地球上での「平和利用」には最初から、
恐らくは未来永劫に「無理」が有るよ…(苦笑)
1986年の「チェルノブイリ事故」の頃までは、反原発派の党派に対して、現場で「反科学主義」という悪罵を投げつけていた【理由】がコレだとすると、それも「無理」があるよ?
(何て言って彼らに謝れば良いの?)
あぁ!
そうか…遠い遠い将来に(
数千年後か?…苦笑)、人類の大半が【宇宙】に暮らす時代でも来れば、原子力発電も、党の望む通りの「平和利用」ができるかもしれませんね。
全ての工程を無人化して
【原発労働者の被曝】も無くして、
【半永久的な核廃棄物】は太陽にでも落とすか、月の地中深くにでも
【投棄】して、人間の暮らす空間とは、それこそ
【何万キロ】も隔絶させて…(爆笑)
日本共産党に「理解」というか「信仰」の有る人ならば、これを「空想」で許してくれるだろう。
しかし、歴史を知る外部の人間にとっては「詭弁」としか写らないだろう。(残念ながら)
こりゃ、駄目だ…(苦笑)
6/1追記:
私は、SF小説が大好きなので、そりゃ…地球という限られた場所を離れれば、原子力エンジンとかも「有り」だとは思います。
でも当面は「地球」という限られた場所に住み、地震を始めとした地殻変動が頻発し
、【半永久的な核廃棄物】の処理の目処は立たず、原発での
【被曝労働】という実態も無くなる見込みは無いワケです。
だからこそ「原発」という物は、無くす事が「科学的」なのであって、現在という【前提】からすれば「平和利用」など、極限られた「医療用」ぐらいしか有り得ないのです。
自然科学でも社会科学でも、【科学】とは、常に如何なる条件が【前提】になっているか?…が問題なのです。
相対性理論を適用すべきマクロ空間に、非連続性が【前提】である量子力学を適用すれば「矛盾」が生じますし、逆に量子力学を適用すべきミクロ空間に、連続性を【前提】にした相対性理論を適用したら「矛盾」が生じるのと、同じ事です。
あくまで「現在」の諸条件を【前提】として、現在の【政策】は、科学的に考察されるべきだと、私は考えます。
私は今回の問題で、本気で日本共産党の発展の為には、その「科学観」の【鍛え直し】をせねばならぬと、確信をしました。(笑)
尚、付言すると、私の経験から1990年頃から、1986年のチェルノブイリ事故を受けてのヨーロッパでの動きに刺激されて、日本共産【党内】でも「脱原発」が言われ初めていましたが(安西教授の本などを推薦して)、党が「公式に脱原発」の方針を掲げたのは、2000年の第22回党大会決議からです。
2000年というと11年前ですから、まだ「公式の脱原発」路線の歴史は「浅い」ですが、それでも3・11以降という情けない結果よりは、マシな筈です。(苦笑)
日本共産党資料館
http://space.geocities.jp/sazanami_tusin/congress2/22th/decision22th.htm
日本共産党第22回党大会決議(2000年)
第三章 「日本改革」の提案――21世紀の未来はここにこそある
(8)日本国民の21世紀の生存と生活の基盤をまもる政治を
…の4番目
(引用開始)
――エネルギー……政府は、21世紀のエネルギーを、原子力発電所の大増設と、プルトニウムをくりかえし利用する路線に頼り切るという政策をとっている。このようなエネルギー政策をとっている国は主要国では日本だけである。欧米の主要国のほとんどが、原発建設計画をもたず、プルトニウム循環方式からも撤退しているなかで、日本のエネルギー政策の異常さはきわだっている。世界の主要国で放棄された政策にしがみつく政府の姿勢は、この問題でも国民の未来を危険にさらす。
昨年スウェーデンが原発の閉鎖に足を踏みだしたのにつづいて、ドイツが2020年代初めまでに原発を全廃することを決定した。原発大増設とプルトニウム循環方式という危険きわまりない政策を中止し、
低エネルギー社会の実現、再生可能エネルギーの開発をすすめながら、原発からの段階的撤退をめざすべきである。
(引用終わり)
余談としては、この時点で、これまで「反原発派」に加えてきた「反科学主義」との【現場での罵倒を公式に謝罪】して、
たとえ、確かに、【既存の原発】には、安全性の観点から【批判】をしてきたにしろ、それまでの「原子力の平和利用」という路線には、【原子力発電】の可能性(=安全な【原子力発電】という幻想)…も加えていた事を率直に認めて、我々は「公式に路線転換」しましたと、自他(内外)に【明白な総括】を行なうべきでしたね。
私も、何故そこまで中央が「一貫性」=【無謬神話】に拘るか?の理由としては、あくまで【現在の形での】民主集中制の維持という事を前提として、外部の【国民向け】ではなく、内部の【結束を図る】という内向きな理由しか思いつきませんが、それは結果として、内部では「空想的」で済んでも、
外部からは「詭弁」に映り、党への国民の信頼を、逆に損なう「マイナス」にしか思えません。
私は、党の戦闘力維持の為に=行動では「集中」しても、党の活力の為に=言論では分派的な事は認めても良いと、将来的に【民主集中制】の「改善」を求めたいですし、【党首だけ】は現状の5段階の間接選挙ではなく、必ず対立候補(候補は中央委員だけでも構わない)も立てた、直接選挙で党員の「信を問う」という形で、更なる党の近代化を図る事で、こういった「一貫性」への拘り=【無謬神話】も消えていき、変化や活力に富んだ党になり、党外からの「見る目」も変わっていく事を、期待していますが…(笑)

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