ジェシカが家を出ていって何日が経っただろう。暗い部屋には割れたバーボンの瓶が
散乱している、毎日酒浸りの日々を送っている沖田です。
トイレに行き、ふと洗面所の鏡を見るとYシャツにボロボロの髪型の自分が写ってい
る。
「エレファントカシマシのボーカルみたいだな」と思い、少し笑う。
ついでに思い出し笑いをしながらグフグフ笑っているとウィルコムが鳴った。
「ジェシカか?!」
慌てて滅茶苦茶になった部屋を探る。やっとこウィルコムを見つけ画面を見ると「ジ
ェシカ」からだ。
軽く深呼吸をして通話ボタンを押す。
「もしもし」
「あーもしもし?沖田くんかね?沖田くんのお電話かね?…あれ?」
ジェシカの父親からだ。慌てたが平静を装った。「沖田です。どうもご無沙汰してお
ります」
「あー、沖田くん。なんだよ返事してよー。あのね、娘は家にいるよ。あとねー、ブ
ログ見たよ。誤字多すぎだから小説家は無理だしょ」
一瞬ジェシカが実家にいることに驚くがそれは知ってると気付く。
「とりあえず近いうち家に来なさい。話がしたいんだ」
そんな…どうしよう。行くのは簡単だが今さらジェシカとその父親に何を話せばいい
んだ。…非は全て自分にある。…謝ろう。会って直接得意の土下座をして謝ろう。
「…わかりました。明日にでも行きます。道わかんないので駅着いたら電話します。
」
電話を切ると夜11時。しばらくまっ暗な部屋でつい今まで話していた父親とのやり
とりを思い出していた。「さすがに明日は早すぎた」ことに後悔した。
>マリンさん、今井くんまたやっちゃった。(T-T)
>ユキさん!私の勝ちですな!私はフローリング派です。でもフローリングと畳の二
部屋が理想です。

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