表題は、言わずと知れた大事MANブラザーズバンドの代表曲「それが大事」の1フレーズ。今年のダービーはオレにとって、改めて最後まで信じぬく事の大切さを学んだ、記憶に残るレースとなった。
今日は朝からイベントの手伝いが入っていて、リアルタイムでダービー観戦ができないため、帰って来てから見ようとフジの「みんなのケイバ」を録画予約。馬券も何があってもローズキングダムと決めていたので、1着固定の馬単、馬連の総流しに加え、3着は外さないであろうヴィクトワールピサとの三連複2頭軸の総流しを購入して出かけた。レースを見て結果を知りたかったので、仕事中は携帯の電源を切り、一切の情報をシャットアウトである。
家に帰って、身支度を調えてテレビの前でドンと構え、録画した番組を再生。いきなり結果を知るためにレースまで早送りなんてソーローな事はせず、きちんと最初から見て気持ちを盛り上げて行った。
アクシデントがあり、今年勝ってないから人気はないだろうとは思っていたが、番組の構成がヴィクトワールピサとペルーサの2強対決ムードを醸し出していて、さらにこの2頭に続くのがルーラーシップとヒルノダムールで、ローズキングダムは完全無視である。仮にも2歳チャンプでGVの東スポ杯も勝ち、新馬戦では後の皐月賞馬を下している馬である。GT馬がオープンを勝ち上がってきた馬よりも格下扱いなのか・・・。ついこの前まで、ローズとヴィクトワールの2強、みたいな事を言っていたくせに、この手のひら返しに、見ていてむかっ腹が立ってきた。
番組に出てきた出演者・予想家は誰一人としてローズキングダムに一つも印を打たず。そういえば、昨日やっていたグリーンチャンネルの競馬コンシェルジュでも、5人の予想家全員が△すらなく無印、という扱いだった。普通に考えれば◎は打てないのかもしれないが、それでも△すら一人もないとは・・・。そういう事をされるとオレは反発して燃えるタイプ。ビデオを見ている時点では既に結果も出ているし、オレが燃えた所で馬に何かできるわけではないが、自分でも「今回ダメでも仕方ない、とにかく無事に回ってきてくれ」と思っていたところにこんな事をされたので、「チキショー、見てろよ!やってやる!」と、一人カッカしていた。
そして、ようやくレースのシーンへ。枠入り前のローズキングダムはいい感じに落ち着いており、期待が高まる。ローズはまずまずのスタートで、道中はヴィクトワールピサを見る形で進む。位置取りはベストで、思わず「よし、よし」とつぶやきが出てしまった。4コーナーを回ってペルーサが並びかけてくるところでは、画面に向かって「よし、ペルーサと併せろ!」と興奮して叫んだが、出遅れが影響したのか、ペルーサの反応が思わしくない。しかし、手応え良くローズが上がっていくではないか!ライバルのヴィクトワールピサは内で包まれて抜け出しに手間取っているような様子。「よし、行ける、行けるぞ!後藤!」VTRであることも忘れ、ライブ観戦と同じようにシャウト。内からエイシンフラッシュに抜け出されて一旦は1馬身以上離されたが、ここからがローズの真骨頂。気持ちで走る馬が、エイシンに食らいついて、その差を縮めていく。
「差せ!ローズ!差せ!行け!!」たかが2戦負けたくらいで、△一つ打たなかった連中に見せてやれ、GT馬の底力を!そういう気持ちで最後の直線は叫び続けた。
しかし、残念ながらクビ差届かず2着。惜しい悔しい2着だが、それでも満足である。良馬場発表だが稍重に近い良で、中間にアクシデントがありながらもこれだけのパフォーマンスを示し、きっちり馬券圏内に入って2歳チャンプの意地を見せ、評論家にも一泡吹かすことができた。今日の2着は勝ちに等しい2着である。
馬券は馬連と三連複がそれぞれ万馬券的中となったが、馬券はオマケのようなもので、馬券が当たった事よりも、とにかく勝ち負けした事の方がうれしかった。本音はあそこまで追いつめたのなら勝って感動で大泣きしたい所だったが、まだ先がある馬だし、これからもっと感動する場面もあるだろうから、その時のお楽しみにとっておく。まずはローズキングダムにはお疲れ様と言いたいし、ここまで仕上げた関係者にも、素晴らしいレースを見せてくれた事に感謝したい。それに、小牧騎手の代打で騎乗した後藤騎手にも・・・。「小牧騎手になりきって乗る」と言ったとおり、直線でのムチ連打で必死に追いまくる姿に、小牧の姿がダブって見えた・・・。
レース後は気持ちがスカッとして、一人祝杯をあげた。やはり、どんなに負けても挫折しても、信じ続けることが大事なのである。

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