内申書制度の廃止を求めます

日ざかりの急な坂道を
息をきらしてのぼって来たら
アスファルトのすきまから
季節はずれのたんぽぽがひとつ
風に揺られておじぎした

広い野原に寝ころんで
胸いっぱいに息を吸う
わたしの上には空しかなくて
雲がゆっくり流れていく

背中に少し
湿った草の感じがして
はだしの先を
風がすうっとなでていく

わたしはこんなにちっぽけだけど
広い野原も大空も
小さなわたしを邪魔にはしない

生まれてきたのはなぜなのか
わからないけど
わたしは確かに生きている
大きな地球の上にいる

さあ　
起き上がって
歩いていこう

わたしの居場所はどこにあるのか
わからないけど
歩いていこう
前を向いて歩いていこう

一歩一歩
歩いていけば
いつかどこかにたどりつくから

風に揺れるチェリーセージの
赤は心がはずむ色

並んで微笑むチューリップの
淡いピンクは嬉しい春を想う色

マリーゴールドのオレンジは
「元気を出して」とまっすぐに
わたしの方へ駆けてくる色

わたしにしかできないことが
きっとあるはず
今はまだ見えないけれど
きっとあるはず

わたしが生まれてきたわけが
きっとあるはず
今はまだ知らないけれど
きっとあるはず

わたしを待っている人が
きっといるはず
今はまだ会えないけれど
きっといるはず

わたしの歩くこの道は
きっとどこかに通じているはず
今はまだわからないけど
いつかきっとわかる日がくる

悲しいわたしを
知ってる人はいないけど
慰めてくれる音楽がある
海の向こうで昔生まれた
やさしい調べ

寂しいわたしを
知ってる人はいないけど
よりそってくれる言葉がある
海の向こうで昔生まれた
きれいな詩

夢見るわたしを
知ってる人はいないけど
励ましてくれる光がある
空の果てからすべてを照らす
まぶしいお日さま