最強が勝つときは接戦、僅差。天頂が勝つときは大差。これで互角とは云い難いかもしれませんが、互先になってから1勝1敗。緒戦は最強が負けましたが、今度は押し戻しました。初手天元戦第6回打ち込み十番碁の第6局です。互先になってから2局目です。
私が注目したのは白74のカケと黒151の打ち欠きです。正確に云うと、白がウチカキに手抜きして応じなかったことです。コンピュータって偉いネ。
銀星の形勢グラフ

(この画像は合成です)
私はへぼ碁で形勢判断ができませんから、とりあえず、AI囲碁とか、銀星囲碁とかの形勢グラフを頼りにするほかありません。概ね黒が優勢(結果的に黒が勝ったので)の推移の中で、60手〜120手の間の攻防に白が面白くなりそうな応酬が何度かあったようです。そのあたりを集中的に遡って鑑賞してみました。
天頂の解析と次の一手候補

まずカケですが、手筋としては当たり前と云っちゃあ当たり前。これしかないから普通にカケて黒の動きを封じた。それだけのことなんですが、私は無暗に感動しましたよ。
コンピュータは数ある手筋集の中からこれを選んだんじゃなくて、めくらめっぽう試していたらこういう手に行き当たった。喩えていえば、子供が目をつむって棒きれをめったやたらと振り回しているうちに偶々切れ味鋭い太刀捌きの軌道を描いた。
運よくちらっと挙げた数カ所のうちのひとつなら、ラッキーでしょう。逆に無限にテストを繰り返せば必ずこの手があるなら、偶然でもなんでもない。必然であって、ラッキーじゃないわけです。
ところが毎回、たとえば、1000回テストして、評価値最高が必ずこの手になるなら必然ですが、1000回テストするとこの手にならないことがあるから現実は恐ろしい。理論的には無限回繰り返せばと云っても、それは屁理屈で実際に無限回はあり得ない。ラッキーと必然の境目は単純に回数が決定する。そう思うと、無暗に感動してしまうわけです。よかったなあ〜、見つかって。座標そのものは虱潰しなら必ずありますが、評価値最高と重なったことが感動的なわけです。
次に打ち欠き(ホウリコミ)に対する手抜きです。打ち欠きはアタリと來ているので、手抜きは終わりを意味します。すでに死んでいる石に打ち欠きをしたのなら、助かる見込みがないので手抜きは当然で、打ち欠いた方のミスでしょう。
後手でも手入れで生きられるのなら、その一手が助かる石の数の出入り計算の価値になります。
助ける意味がなければ、別のところに先着して少しでも取り戻せば、損害を軽減できます。こんな単純なことが感情のある人間にはなかなか簡単なようで難しいのです。たとえダメでもここはこうする形とか、たとえ死んでもここは譲れないとか、そういう人間らしい感情がコンピュータにはないので、平気で手を抜ける。
見込みのないところは打たない。この冷徹さは当たり前と云っちゃあ当たり前のことですが、本当に手を抜いてほかのところに実践で打つと無性に感動してしまいます。
右辺の連絡を絶たれていた黒石が、2眼生きか連絡かを見合いにして生還するところまでこぎつけると、なんだかとても得した気分ですが、何手入れて生還したかが問題です。手数を重ねて生きても手を抜いて死んでも形勢は変わらない。逆転していない。つまり、生かしてもいいんだという冷静な対応。人間なら焦るでしょう。
実際の形勢は生かしても仕留めても変わらないはずはなくて、絶対どこかの瞬間にフリカワリを打って逆転しているはずなのに、このコンピュータの無感情な攻防(突然転戦できる)。これって感動しません。
終局図 黒(最強の囲碁CrazyStone優勝記念版)14目半勝ち

欠け目を2カ所計上してありますから実際(12目半)とは違っているかもしれません。
棋譜再生 初手天元戦第6回打ち込み十番碁第6局 互先になってから2局目
最強の囲碁CrazyStone優勝記念版Version 1.01
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2013年5月17日発売
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互先黒番コミ6目半
天頂の囲碁4
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思考時間最長の120秒に設定
白番
対局機能以外はすべてoffにして対局に全力を傾注するようにしています。
動作環境は、
CPUの種類
Intel(R) Core(TM) i7-2670QM CPU @ 2.20GHz (8 CPU)
メモリ
8107 MB
OS
Windows 7 Home Premium 64-bit
1手当たりの平均思考予想時間
1 s
実装メモリ(RAM) 8.00GB
ハードディスク空き容量561GB

para1002n(ぱら仙人)
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