旧版最強の囲碁2012で三子局の設定は以前に一度紹介しました。2013/11/21「ダメまで打ち尽くす」です。今回は置かせる側も新版最強の囲碁CrazyStone優勝記念版です。双方が最強の場合は、どんな状況になるのか再現してみました。
旧版の最強2012は学習機能によるのか、呼び出したときは正常に左上空き隅の三子でした。新規対局で黒番コンピュータ白人間(優勝記念版)に設定すると人間白目線で碁盤が逆転していました。周囲の位置情報も一緒に回転しているので、碁盤反転のチェックを外すと正常な位置になりました。位置情報も左肩原点なのでファイルにこのまま記録しても問題はありません。その他の盤面設定をしておきました。
白から目線でもよく見ると反転碁盤
碁盤反転で左上原点、左上空き隅の正常画面
安心して碁盤情報を設定

結局白黒ともそのままの状態で問題なしでした。
第2回囲碁ソフト置き碁総当たり戦高知場所番付
東 | 勝敗 | 番付 | 西 | 勝敗 | 棋力 | 発売日 |
| | 横綱 | | | | |
最強記念版◆ | ○○● | 大関 | | | 6段格 | 2013年5月17日発売 |
| | 大関 | 天頂4◆ | ○●● | 5段 | 2012年7月27日発売 |
| | 張大関 | 銀星13△ | ●○○ | 5段 | 2012年12月7日発売 |
天頂3△ | ●○○ | 関脇 | | | 4段 | 2011年9月30日発売
|
銀星12△ | ○●○ | 小結 | | | 4段 | 2011年12月9日発売
|
| | 小結 | 最強2012◎ | ○○○ | 4段 | 2011年4月6日発売
|
AI囲碁V19▼ | ●●● | 2枚目 | | | 4段 | 2011年3月25日発売 |
| | 2枚目 | 碁雷神◆ | ●●● | 4段 | 2012年12月日発売 |
| | 十両 | AI囲碁2001 | 勝敗 | 初段 | 2000年7月1日発売 |
◎:優勝 ◆:カド番 ▼:降格 △:昇進
第2回囲碁ソフト置き碁総当たり戦高知場所4日目取組表
東 | 番付 | 白番勝敗 | 西 | 番付 | 手合割勝敗 | 平均時間 |
最強記念版◆ | 大関 | 勝敗 | 銀星12△ | | 3子勝負 | 手最強秒/旧銀秒 |
天頂4◆ | 大関 | 勝敗 | 碁雷神◆ | 2枚目 | 5子勝敗 | 手天頂秒/碁雷神秒
|
銀星13△ | 張大関 | 勝敗 | AI囲碁V19▼ | 2枚目 | 5子勝敗 | 手新銀秒/AI囲碁秒 |
天頂3△ | 新関脇 | 勝敗 | 小結最強2012◎ | 新小結 | 2子勝敗 | 手天頂秒/最強秒 |
欠け目とダメの定義はソフトごとに若干差がある

囲碁ソフトは基本的に半コウも欠け目も1目と数える定義づけになっているようです。時々例外があるのでよく解らなくなります。同じ最強なのに、旧版は黒224(9の九)の上をダメ、右を白1目と見做しています。この定義の仕方が分かりません。ダメの定義はお互いの勢力が向かい合っていて、今すぐ白からも黒からも打てる場所と定義しているはずです。ここはそうなっていないのが不思議です。
欠け目の定義は相手が入って來られない1目の隙間を囲む石の二カ所を相手の石が占めている場所の隙間ことで、両端の延長上にそれぞれ眼があれば手入れの必要はなくなります。最初に欠け目を0目としておいて、生きた目として後から増やすのは、手が進むごとに残りの地は減っていくという根幹の論理に反するので、定義できません。
初めはなんでも1目と計上しておいて、状況が明らかになった時点で1目がなくなる方が論理的です。コンピュータの作文として、欠け目でも暫定的に1目は自然な定義づけです。双方同じ条件ですから確率的には公平になり、形勢判断の誤差としても死活の誤判定ほどひどくはありません。
半コウ1目の暫定的な処理も偶数箇所であれば、相殺されて問題はなく、奇数の場合に誤差が1目ですが、形勢判断上は2目以上の差があれば、勝敗には影響しなくなります。そういうわけで、欠け目や半コウの定義はどっちに転んでも支障はないとして軽く見られてきました。
亊實そうなんですが、ここが曖昧な間は、接戦ならコンピュータは、より厳しく打つと云う噂も、ちょっと疑問です。
この対局でも、敗けている白が現実には不要な手入れをしています。大差ならそうなるとも云えますが、ここは(それぞれの形勢判断で)1目勝ちか持碁かの微妙な形勢です。現実に勝敗が逆転しているわけではないので強く云えませんが、勝率の高い手をシュミレーションして余裕があるから不要な手入れまでするのであって、半目勝負では絶対緩まないと本当に云えるのかどうか。単なる幻想のように思うのです。
コンピュータの評価値と、地合い計算、形勢判断は別物とはよく云われます。別物だからコンピュータが終局まで近似値シュミレーションをした結果、勝率が高い手が最善だと信じられるでしょうか。ほとんど数手しか残っていない1目のヨセは間違えなくても、その数十手前の大ヨセで間違えていたら意味がない。
だからヨセは1目、半目が正確かどうかじゃなくて、大ヨセ段階から間違えないように連続して打てなければ、精確かどうかの議論になりません。最後の半目だけの問題ではないでしょう。
敗けている白にも不要な手

石葉Uは300手以上は再現できないことがあるようなので、超過分は丸で囲んでみました。コンピュータの打った最終ダメ詰めまでご確認ください。
棋譜再生 第2回囲碁ソフト置き碁総当たり戦 高知場所3日目第4局白大関最強記念版2013 三子新小結旧版最強の囲碁2012 276手打ち切り黒3目勝ち1手平均思考時間最強記念版15.6秒/九最強14.1秒
実際の手数はダメを詰め終わるまで309手ありますが、黒276手で打ち切り黒3目勝ちとします。白277手は全く手にならないところで、その後、白289、299など無駄な持ち込みが続いて差がどんどん開きました。
ちょっと先の話になりますが、新しい囲碁ソフト、銀星囲碁14が12月13日に発売されるそうです。この置き碁総当たり戦に参加してほしいと思っていますが、高知場所4日目の取り組みはまだ一局も済んでいません。全くこれからです。このペースですと12月中旬までかかりそうです。
それからテスト碁を兼ねて新しい銀星囲碁14を臨時の大関格に迎えて銀星14に総当たり置き碁戦をしてみてその成績で、九州鹿児島場所の番付を決めたいと思います。もしかして銀星14が置き碁で負け越したりして、関脇から始まるようなことになったりしたら大亊件ですよ。波乱なく始まってくれることを祈るばかりです。

para1002n(ぱら仙人)
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