新聞囲碁棋譜をパソコンに打ち込んで、終局までのヨセの勉強をしている。コンピュータ囲碁ソフトのヨセの精度を調べるために終局間際からダメ詰めまでをコンピュータに打たせ、コンビュータ相手に私が自力で寄せてみたり、楽しみは尽きない。あまり精神的に追い詰められないように勝った側を私が持つ。コンピュータはかなり正確で、こっちが間違えて逆転されることもある。しょっちゅうギリギリまで追い詰められる。結果は私が勝つことが決まっているはずなのに、なかなか楽には勝たせてくれない。
ちょっとしんどくなったので気楽に眺めていられるように全自動でコンビュタにヨセを打たせて後で形勢判断解析に掛ける。プロ同士の対局で、どこで形勢が逆転したのか、どこで勝ち負けが確定しているのか、その直前に目星をつけて、いろいろ検討してみる。これがなかなか楽しい。
プロが投了した131手以降をコンピュータで打ち継いでみた
白番をコンピュータ囲碁ソフト「最強の囲碁優勝記念版」が担当
アンバランス社の囲碁ソフト「最強優勝記念版」では対局画面の縮小サイズに限界があって、碁盤認識ができなかったが、「天頂5」は対局画面のレイアウトもサイズの縮小も自由なのでディスプレー上でそれぞれのソフトの画面が被らないところまで縮小して、碁盤の大きさも差を付けないようにしたら、石は天元にあってもカーソルが碁盤の中心に来ていれば碁盤の大きさは認識できた。
どちらも自動的にコンピュータが代打ちしてくれると、プロが投了した後どうなるのかをコンピュータが最終の半コウツギ、ダメ詰めまで打つのを見ているだけで済む。それを形勢判断解析に掛けると、どの手で逆転のチャンスがあったのか、どの手で負けが確定したのか、素人にも手に取るようにわかる気分が味わえる。(コンピュータの形勢判断計算が正確ならばという架空の前提)
白番を「天頂の囲碁5」に替えて「銀星14」との全自動代打ち
全自動なら寝ていてもコンピュータが勝手に対局を続けてくれるので、思考時間は双方最長に設定してから寝た。朝起きてみると、最後のダメ詰めまで打ってあって停まっていた。最後に打つ場所(盤上の地以外の無駄な隙間)がなくなると、パスするようになっていて、人間がそれを了承して、双方が連続してパスすれば終局が確定するのが今のシステムだ。「天頂5」は勝っているときのヨセはかなり甘いらしく、形勢判断解析では半目勝負まで迫られていたが、最終的には白2目半勝ちに収まっていた。
終盤のヨセ合いでは、後手2目や、ウッテガエシのようなトリカエシ、後手1、半コウツギ、ダメ詰め、がかなりいい加減な順序になる。つまり、ヨセの価値の大きい順に打っていないのだ。実践ではこの最終盤で手順を間違えると勝敗は簡単にひっくりかえってしまう。
そこがコンピュータのすごいところで、手順は大きい順には打っていないのに、極限(半目差)にまで追い詰められてもなかなか逆転するまでには至らない。決して逆転はないとは云い難いが、最終の勝ちの線が分かっているので、逆転しない範囲で譲っているらしいのだ。すご過ぎるコンピュータ囲碁ソフト。
もうこれ以上、ソフトは強くならなくても十分楽しめるが、理想を云えば、本当に最後のヨセまできちんと大きい順に打てるシビアなソフトがあったらなぁと、夢のようなことを願っている今日この頃。
手止まりの終局状態で「天頂の囲碁5」は4目半と判定している。2目の誤差は半コウや欠け目、最後のダメヅマリの手入れが考慮されていないからなのだが、なぜ、正確なコンピュータが半コウツギやダメづまりの手入れを計算に入れられないのか、理由は分からない。
ソフト自体にまだ若干改良の余地があるのだと思うが、ここをクリヤーした新しいソフトは市場にまだ出ていない。パソコンが携帯端末と連動するようにタッチパネル対応の方向に流されているようだ。
囲碁ソフトはタッチパネルのメリットがない。細かい座標の一点に100平方mmの指先で触ったら、石を置く位置が定まらない。カーソルの先っぽで正確な座標位置を指定しなければならないので、全体がタッチパネルのシステムでは、無駄にメモリーを使い、余計な動作で能力も削減される。もう2年近く新ソフトが出ないまま足踏み状態だ。
今までは半年おきにどこかのソフトが新版を出して一段ずつ棋力も上がってきたが、六段止まりでそこから進めなくなっている。囲碁ソフトは碁盤の枡も小さく、多い。フリカワリやら、コウやら、攻め合いやらいろいろ複雑な要素も多いらしい。特にコウは同じ座標に繰り返し石が来て一手打つごとに着実に終局に近づくわけではないので、プログラム上の定義づけが難しく、着実に終局に向かって手が進む方が優先されて、コウ材を先に打ってしまうことがちょくちょくある。いずれ又コウ争いに戻るが、そのタイミングは分からない。そんな傾向がどのソフトにもある。
ここから先の壁は今までのように小出しの進化では乗り越えられないのだろう。

para1002n(ぱら仙人)
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