アルファゴ世界ランキング2位
残る相手はもう中国の柯潔さんのみに
第5局、天頂はプロが指摘した手を打てた
第5局は、いろんなところで実況大盤解説会があった。武宮先生が「セドルさんは桂馬の所をなんで単ツギ(黒143手目)したんだろう。ここは割り込んだ方が手がないなら、形勢不利ならここは行くべきでしょう。4目位は得でしょう。なんで割り込まないのかなあ」と何度もおっしゃっていた。大澤奈瑠美さんたちと反撃の手があるか検討して、反撃はない結論だった。少し慎重になりすぎた(戦意が下がっている)ことを心配して、残念がっていた。

イセドルさんの代わりに天頂5や銀星14の日本で市販の囲碁ソフトならどう打つのか試してみた。天頂恐るべし、武宮先生ご指摘の割り込みを何の躊躇もなく打った。結果はやはりコミが出せず、6目半負けになった。
それでは逆にイセドルさんの代わりに銀星14ならどう打つのかもやってみた。銀星14はだめだった。何度やり直しても右辺の石塔絞りにこだわって、17ノ13にばかり打つ。仕方がないので、一手進めて143は割り込みから再開。これも似たり寄ったりで、コミがかかりの4目半、いずれも形勢逆転にはならなかった。実践と、囲碁ソフトの代役では経過は全く別物だが、最善手の応酬でも、2目半の差以上には縮まらないようだ。
いろんなところで今までも、コンピュータ囲碁ソフトの傾向について語られてきた。小林光一九段とか、「ヨセはめちゃめちゃ正確なんでしょうね。」(NHK杯の解説)
今回でも、「コンピュータのヨセの正確さは優勢なら逆転はない」でみなさん一致。コンピュータのイメージからはそうだが、実際の囲碁ソフトは最終段階のヨセはぐちゃぐちゃ。イセドルさんもそのイメージがあるので最後まで打ち切ったのだと思う。本当は投げなきゃいけないところでズルズル決断のないまま打ち続けるのはもう碁じゃない。相手が間違えるかも知れないと思って打ち続けるのはもうまともな碁とは云えない。
日本の囲碁マナーではあそこまで打ち続けたら、最後の作るところまで打って、投了にはならないのだが、国際棋戦ではとことん打ってしまうことはしょっちゅうある。
以前に竜星戦だったか、NHK杯だったか、趙治勲さんの解説で、結城さんが全然負けているのに何で投了しないんだろうと、もはや云うべき言葉もなくなって解説を止めてしまったら、その後、相手が間違って、結城さんが逆転してしまったことがあった。結城さんは国際棋戦の経験が豊富で、普通の日本のプロとはちょっと感覚が違うのかもしれない。
準決勝だったので決勝戦は趙治勲さんと結城さんが当たる予定だったのに、趙さんは決勝戦を体調不良を理由に辞退して不戦勝で結城さんが優勝した。
本当に体調不良で辞退したのか、もっとほかの理由だったのではないかと、今でも私はそう思っている。
今回の最終戦はハラハラしながら終局まで見ていたが、コンピュータは従来の囲碁ソフトとは違って沈着冷静にヨセ切った。差は縮まるどころか開いて終局した。
天頂などはぐだぐだのヨセを見せないように、形勢不利の時は早めに投了を打診してくるようになっていて、勝っているときは堅実に無駄な手入れもしますと言い訳をしている。モンテカルロ方式だとヨセは正確に打てない。勝率の高い手で寄せることは、要するに半目でも勝ちさえすれば早い手数で終局する方が評価が高い手になるからだ。囲碁ソフトのヨセは大きい順ではない。目も当てられないようなヨセになってしまう。
アルファゴはそうはならなかった。なんだ、やりゃあできるじゃん。あれは天頂やそのほかの囲碁ソフト開発者の単なる言い訳でしかなかったのだ。正確なヨセは可能なのだ。だったら日本で市販の囲碁ソフトはなぜやらなかったのだ。是非言い訳をしないでちゃんと大きい順にヨセを打つソフトにしてほしい。是非、ぜひ、ゼヒ、よろしくお願します。
石塔絞りにしても、石の下にしても、コウにしても、ウチカキにしても、同じ座標を使いまわすのでコンピュータの座標検索にはちょっと問題がありそうですが、ヨセはそんなんじゃないから、形勢がよかろうが悪かろうが、ひたすら大きい順に打ってくださいよ。囲碁ソフト開発者の皆さん、頼みます。

para1002n(ぱら仙人)
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