長雨で散歩から遠ざかっている間に脚が鈍(なまっ)てきた。もう長い距離は歩けそうにないので自転車で楽に出かけることにした。
アカツメグサの種が気になって見に行って來た。今を盛りの赤いクローバー。花は一向に枯れる気配はない。種が採れるようになるにはまだまだ先が長い。
今日の一句
「梅雨晴れの残り淵 巨鯉のたうつ」
季語は「梅雨晴れ」五、五、七の変則リズムにした。総字数は十七字。切れ字は特になし。
豪雨の後、濁り水の中、茂みの日陰に黒い鯉が黄ばんだ腹をくねらせて、ばしゃばしゃと激しく動く。それも一匹や二匹ではない。あっちでもこっちでも。異様な迫力にあっけにとられて、しばらく見惚(みと)れていた。帰る道筋、亊の前後を想像してみた。
何かとてつもない獲物に喰らいついて、必死に呑み込まんとしておるのであろうか。産卵かなんぞをしておるのであろうか。間違ったリーダーについてきて、水が引いて逃げ場を求めて身をよじっておるのであろうか。それにしては、まだ十分すぎる水量ではあった。
異様な水しぶきと激しい身のくねり、尋常ならざる光景だった。新手の漁法に引っかかって、呑み込んだ針を外すべく渾身の力を込めて身をよじっていたのであろうか。

para1002n(ぱら仙人)
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