初手天元戦久々の再開です。今回は最新の銀星囲碁18が白番、旧版の銀星17深層学習が黒番です。打ち込み十番碁です。コミがなかった時代の一大イベントでした。読売新聞の呉清源十番碁が有名です。
一方が四番負け越すと打ち込みになり手合が変わります。先相先とか、定先とか、二子とか。今はコミ碁ですから、ルールとしては6目半コミ出しの互先から始まって、定先、二子としました。初手天元戦の打ち込み十番碁ですから、二子に打ち込まれたら成立しませんので、終了です。黒番が必ず初手天元に打つルールです。
以前から(天頂と銀星17で自動対局をしていた時から)、銀星17深層学習はCPU使用率100%を振り切って、よく止まっていました。今回はその銀星が17深層学習と18の2面ですから双方120秒の最長設定でフル稼働すれば、途中のトラブルは覚悟の上です。
結論から先に云いますと、確かに止まります。表示画面が消えたり、チラチラ点滅したり、真っ白になったり。チョー迫力ありです。まるで真剣を構えて切り付けたり、飛び退いたり、にじり寄ったり、呼吸を整えて、再び打ち合ったり。すごいです。
止まっても、最初に認識している座標位置は変わらないので、双方の碁盤さえ動かさなければ、一時停止にして、対局再開にすれば、復活したりします。ギリギリ、スリル満点ですが、何とか対局継続の手段はありそうです。でも、双方最長の120秒は長いです。途中で寝ましたが、囲碁ソフトは真面目に打ち続けていました。
いつも目いっぱいの120秒ばかりではありません。定石のような形の決まっているところは、お互いに間髪を入れず打ち合ったりもします。
対局後の解析中にも針が振り切れることがある

対局後の解析中は、CPU使用率が大体90%前後。100%を振り切ることもある。
ダメの詰まりが身の詰まり コウ立てのこのキリが最後に効く

下辺の隅で二カ所のコウが発生。白がコウ立てで打っていた218のキリが最後のダメづまりで効いてきた。
ただし、白最新版銀星囲碁18が先を読んでいたわけではない。本当は偶然。
旧版銀星17深層学習がチョンボでダメを詰めてしまった。イかロかその他どこでもいい。一手入れていれば、ダメさえ詰めていなければ、何も問題は起こらず。黒2目半勝ちの大手柄だっただけに、惜しい。
黒にも白にもビシビシチェックを入れる銀星囲碁18の解析

こんなに手厳しい銀星囲碁18の解析チェックなのに、肝心の223ダメづまりにはノーチェック。白黒逆なら、最新版の銀星囲碁18も7手以上先の落とし穴にはハマる可能性があるということです。人間なら級位者でも、アタリ、アタリの連続なので、ゆっくり順を追っていけば見えてくる。勝ち碁なので多分手が震えながら、何度も確認して手入れを怠らないはずだ。
ところが日本棋院お墨付きのアマ8段の免許の銀星囲碁18も、旧版銀星17深層学習も6手先までしか探索できていない。いくら一本道でも、探索打ち切りの階層はノーマークになってしまう。
行く先にアタリ、アタリの逃れようのない落とし穴があっても、最初の一歩を踏んだらもう戻れない。終りだった。
3目半勝っているのだから、1目の手入れは何でもないはずだ。
「勝っているときは、自陣に余計な手入れをすることもあります。(探索を打ち切った先にダメヅマリ等の思わぬ落とし穴があるので)」とは云いながら、ここではできなかった。
ゼロ目のダメの方がマイナス1目の手入れよりも価値が大きいというプログラム上の欠陥から、初心者でも気を付ける「
ダメの詰まりが身の詰まり」を避けられなかった。残念です。立場が逆なら、最新版の銀星囲碁18にも起こりうる現象です。
黒銀星17深層学習の大ポカで命拾いの銀星囲碁18
【棋譜ソースです】
お手持ちの囲碁棋譜ソフト「ポケットゴバン」とかウェブサイト上の「棋譜なう」などに読み込んで再現してみてください。
(
;FF[3]GM[1]AP[PocketGoban Ver 0.999]
SZ[19]PB[銀星17深層学習]PW[銀星囲碁18]
GN[初手天元戦新旧銀星17と18打ち込み十番碁]DT[2017-12-22]
PC[広島県福山市]EV[最新版銀星囲碁18と旧版銀星17深層学習の激突]RO[2]RE[W+17.5]KM[6.5]
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ここまで
初手天元戦新旧銀星17と18の打ち込み十番碁
動作環境
CPUの種類
Intel(R) Core(TM) i7-2670QM CPU @ 2.20GHz (8 CPU)
メモリ
8107 MB
OS
Windows 7 Home Premium 64-bit
1手当たりの平均思考時間(8段最長120秒設定)銀星17深層学習 : 21.7秒
銀星囲碁18 :45秒
銀星17深層学習は53秒の時もあるが、大体は20秒前後かそれより短い。形の決まっているところではノータイムもしばしばある。
銀星囲碁18は1分28秒もあったが、大体は50秒台で打つ。形の決まっているところでは、ノータイムもある。
天頂と打つときは、同じ最長120秒設定でも、天頂よりも長考で、ギリギリ1分50秒近いこともあるのに、銀星17深層学習と18の銀星同士だと、共有部分があるのか、異様に速い。最長の120秒設定なのに、その半分以下のスピードでシャカシャカ打つ。
実際は相手側の碁盤に反映されるまでの時間差ロスはあるでしょうが、人間が盤面を見て代打ちするよりは遥かに早くて正確です。動作が止まったり、「応答なし」や止まったときにデーター画像を残す処理とかのロス時間は含まれません。それぞれの碁盤の正味時間の合計から平均を出しています。

para1002n(ぱら仙人)
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