ヨセテスト4回目黒最強Zero、白天頂7Zen。享保五年十一月十七日御城碁先井上因碩(五世)白本因坊道知236手完持碁を209手目から、コミ半目で打ち継ぐヨセテスト。
天元の上203先手1目の出から始まって、下辺205のアテコミ。207右辺1線のハイからまた中央209先手1目の出。さらに上辺211先手の突き当り。
天頂7Zenは外からハネを打つ
211の時点で天頂7Zenの形勢判断は黒5目半。最強Zeroの形勢判断では黒8目半。参考に銀星囲碁18では黒5目半でした。それぞれに独特の表示方法があるので、実際は、半目〜1目半黒優勢の局面。
自動的な地合い予測では、将来必然的な手入れ(2〜5箇所)と、現状未確定の欠け目(3〜4箇所)の誤差が誤判定の大元になるらしい。
地合い計算表示は白黒同じ条件なので、間違いがあっても、確率的には相殺される。半コウ(7の三と5の十五)相殺。相手が打って来ない勢力圏(16の十三と17の十四、18の十と19の十)が相殺。欠け目(9の八と13の十七)の相殺。212(14の五)は黒の勢力圏に入り込んだという意味なのか、取られていないのにハマ石の黒丸がついていました。(数字が見にくかったのでマークを修正)隣のツギは絶対なのでそれと相殺。その下(14の六)は白からも黒からも打てるダメ場なので除外。1線の欠け目は先手で潰されるところなので除外。
次は黒の手番なので、16の八か17の八に黒から逆ヨセ1目(後手2)を打てる可能性があるので、18の七を手入れと見て除外。除外箇所は黒が3か所と3か所の計6か所。白が1個所。差し引き黒マイナス5目。地合い表示ウインドウには黒最強Zero6目半優勢となっているが、実際の形勢は1目半のようだ。
白天頂7Zenは反発して211の外からハネ。黒最強Zeroは受けざるを得ず、15の五にツギ。白天頂7Zenは後手で2子取る。14の三2子取りは黒から突き当られて覗かれたら当然の受けで10回テスト中、すべて早晩そこに受けている。ただ、天頂7Zenだけが、5局中3局、反発して外からハネている。10回テストして、7回は素直に下から受けるのに、天頂7Zenは3回反発。結果はどうあれ、なかなか細かいところに気の付くいいソフトだなという好感触。同じ後手でも、単純に3線を閉じるだけより、黒の眼形をつぶしている分、なんだか働いているように見える。何よりもここまでずっと黒に先手で引き回されて、言いなりだっただけに、ちょっとした反発でも気持ちがすっきりする。
その後215にアテられて手抜きは気合としても当然。今度は左辺206白の先手ヨセから上辺の黒に後手2のハネツギ。狭くなったが、上辺は曲り4目か桂馬の連絡の保険付きなので、下辺に移って先手攻勢221。と思いきや、白は受けず、222に反発。この辺の素直でないやり取りはまるで意地を張り合っている人間の打ち方に似ている。コンピュータは別に意地になっているわけではなく、場を読まず勝手に思い思いに自分の都合で打っているだけかもしれないが、感情移入してやり取りを見ていると、とても面白い。
224は調子に乗りすぎ。最強Zeroはすぐさま反発して、225と右下隅に突き出て、節をつける。白がコウ材を一つ浪費したのに対して黒は一気にコウ材か増える。まだまだ先手ヨセや後手2、後手1も残っているので、半劫の争いは先の話だが、何となく白天頂7Zenのヨセ手順に不安。最強Zeroのしたたかさに感心。
228,230、232、白天頂7Zenの先手ヨセ攻勢が快調。234は逆ヨセっぽいハネツギ。狭くても後手2に近い大きさかも。
黒最強Zero237は後手2より若干大きそう。238は裂いて当然。239は後手1目強。240はほぼ先手1目。241は先手でもゼロ目。自分のダメを1手詰めただけ。コウ材を浪費して白にコウ材を与えた。
1目1/3のコウトリ
244白最強Zeroコウ取る。勝ち接げは、手入れが必要になるので1目1/3のコウ。左下の半劫1/3目より大きい。
244手目現在の形勢は、黒半目優勢か。248のコウ立てに、受けずに、249に反発というかこれはそっぽ。コウ材を浪費しているだけ。252コウトリ。255コウトリ。256は黒天頂7Zenが自分からダメを詰めてきたので、増えたコウ材。258コウ取る。259切りがコウ材。白天頂7Zenが反発した皺寄せ。224の時、受けて傷を無くしておくべきだった。
検討開始直後は半コウツギ、すぐアテに入れ替わる

CPUフル回転でシュミレーション。検討開始早々は半コウツギがトップだったが、すぐアテに入れ替わる。コンビュタにとっては半コウツギは自陣に手入れ。消極的。一方、10の七アテは相手に響くので判断基準としては無理もない。でも、ヨセは大きい順に打たなければならないし、どちらを急ぐのか順序も重要だ。
全知全能を傾けてシュミレーションも最後まで訂正利かず

時間無制限。CPU使用率98%状態で30分間、シュミレーションは全知全能を傾けてやり切ったはず。半コウツギを選べは、10の七には黒からは押してこられない。半コウツギツギで手止まり終局。白半目勝ちだった。シュミレーションは制限時間無制限でやりつくしたはずなのに、なぜ、10の七は黒からは打てない場所だと気が付けなかったのだろうか。急いで打たなくてもいいところをなぜシュミレーションでは判断できないのだろうか。何かプログラム上に間違った指令を出す仕組みがあるのだろうか。相手が打てないところは慌てて打つなというのは基本的なコマンドだと思うのだが、シュミレーションには反映できないのだろうか。
261コウトリ。262ただでもらったコウ立て。264コウトリ。265コウ立て。267コウ取る。268コウ立て。270コウ取る。272は18の三にツイだ方が相手にコウ立てを与えなくて済む。273コウ取る。274コウ立て。276コウ取る。277コウ立て。279コウ取る。280コウ立て。282コウ取る。半目勝負なので、1目1/3のコウは譲れない。黒最強Zeroの283コウ立ては面白い。ダメを詰めて白の動きを制限している。284のコウ立ても旨い。コウを争っている間なら、後ろから当てて後手1目が先手1目になる。逆転したかも。白天頂7Zen286アテが敗着。282の下に半劫をツイでおけば、黒からは詰めてこられない。黒最強Zeroは下の半劫をツイで、白天頂7Zenが286の所に詰めると手入れが必要。白の半目勝ちになるはずだった。天頂7Zenは、手入れの1目やダメ詰まりの読みがうまくできていないようだ。
私の実況放送は文章にしたら面倒くさいかもしれません。棋譜ソースをPocketGobanなどに読み込んで、ご自身でご確認ください。ごめんなさい。
ここから
(
;FF[3]GM[1]AP[PocketGoban Ver 0.999]
SZ[19]PB[因碩最強Zero]BR[九段]PW[道知天頂7Ze]WR[九段]
GN[享保五年御城碁十一月十七日]DT[1900-11-22]
EV[209手以降ヨセテスト]RO[4]RE[B+0.5]KM[0.5]
PL[B]
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)
ここまで
土壇場で、もう石の置けるスペースがあまりない状態にもかかわらず、白半目勝ちを自分から投げ捨ててしまった。空きスペースのどこに打てば勝てるかシュミレーションでは探せないことがあるほど天文学的な数字なのだろうか。
それとも何かほかの支障があって、たとえば、大きな石をアタリにしておけばいいという戦闘的な性格が災いしているのだろうか。半目をしのぎを削って争っているのだから、大石も1目も価値は同じなのに、連打して取れたらでかいなと、数字だけを比べたのだろうか。
やはり、どんなに強い囲碁ソフトでも、ヨセだけはやってみなければわからない。

para1002n(ぱら仙人)
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