色々ごたごたしましたが、改めて、先相先の第1局です。最新囲碁ソフト入神の囲碁十段対最強Zero九段打ち込み十番碁初戦から数えると、11局目になります。新たに先相先の手合い割りでこれから10局の予定です。
先相先はコミ3目半とし、2子以上に打ち込まれても、コミで調整することで初手天元戦が成立するように特別ルールでやっています。どんなに大差でも投了は認められません。原則最後のダメ詰めまで打つルールです。極限状態での囲碁ソフトの動きを確認するための初手天元戦特別ルールです。
タスクマネージャーと3Dパット、銀星ツールU、さらに、2つの対局囲碁ソフトを立ち上げて、同時進行でも、CPU使用率は、68%〜31%前後で推移している。メモリーも半分程度。16Gは必要ない。少なくとも、布石の段階では問題はなかった。
ところが、78(14の十)、84(16の九)、88(12の十五)、92(15の十二)で入神の囲碁十段が止まった。原因は不明。
132手目入神の囲碁十段が投了を打診。初手天元戦は、ヨセや、半コウの応接、ダメ詰め終局に至るまで、不自然な動きがないかを検証する棋戦なので、投了は認めないのがルール。どんなに大差でもダメ詰めまで打ち切るのが原則。入神の囲碁十段の投了打診は無視して継続。
話は変わるが、プロの対局の終盤から市販囲碁ソフトで打ち継ぎヨセテストでは、入神の囲碁十段が投了宣言した後、拒否して対局を続けると、最終的には、逆転して、勝ってしまうケースがかなりある。
実践の進行と、地合計算表示、形勢判断は必ずしも連動していないことがある。逆転の目はないと投了を判断しながら、なぜ、逆転が可能だったのかはよく分からない。遠い未来の局面までは正確に探索できていないのだろう。
話は元に戻って、打ち込み十番碁先相先です。
200(7の十四)は後手4目くらいだろうか。ここに1眼できるか欠目になるかで2目の差の可能性がある。先手になるはずだったが、他に黒から先手で打てるところがあれば、白が2手連打する大きさとの比較になる。いろんな候補手があってかなり難しい。
8の十四ハサミ付け先手、12の十七コスミ付け先手、13の十四アテコミ先手、4の十一割り込み先手、10の一打ち欠き先手、19の十四ハネ先手、7の十五ツギ後手、6の十九下ハネ先手、4の十九オキ先手など、など。
左下隅の詰碁のような形に黒から何か手はありそうか。広すぎてオキはうまくいきそうにない。とりあえず外からハネて狭めるセオリー通り。
探索回数8位のハネが実戦で選ばれた
左下隅、6の十九外からハネは候補順位が8番目だった。実践はその8番手の下バネ。なぜ、探索回数トップでない8位の手が実戦で採用されるのか、理由はよくわからない。
左下隅は広すぎて、白生きなのだろうが、手は抜けないはず。囲碁ソフトはどう対応するのか、銀星囲碁14の詰碁対局で試してみた。
範囲指定して銀星囲碁14で詰碁対局にしてみた
抑えるとダメ詰まりでセキになる
白入神の囲碁十段もその辺は心得ていて、212(4の十九)一路控えて受ける。この時点で地合は下がり下がり計算で黒5目半くらい優勢。
213(12の十七)コスミ付け。214(12の十六)出のぞき、先手。216(12の十八)アテに、黒最強Zero九段は手抜き。
217(8の十四)挟み付け。218(6の十五)アテ。220(7の十五)ツギ後手。
221(11の十八)切り。 222(13の十七)コウトル。黒は下から捲っても勝てそうな形勢だが、223にハネてコウを争う姿勢。225(12の十七)コウトル。
白入神の囲碁十段も後には引けない。コウ争いに突入。228コウトル。231、234、237、240、243 244手目(11の七)に3分49秒かかっている。246、249、252、255、258までコウの取り合い。
259(13の十九)下から当ててコウを回避。261(10の十八)ツギ。この局面で、黒の2目半くらい優勢だろうか。
次は白の手番、矢印はどちらの勢力圏でもない扱い
黒の手番だが、10の十八にツグので状況は変わらないはずなのに

1手前にはダメ扱いだったところが黒の勢力圏に変わっている。不可解な勢力圏の線引き変更。地合計算は中国式なら、石で囲んだ地と、生き石の数の合計で算出。生き石と隣接する範囲は自陣勢力圏として将来埋まっていくと想定。日本式はそこから手数を引けばいい。ただし、手入れ個所や、欠目で埋まる個所やそのまま残る箇所は、確率的には、双方公平なので、日本式のリクエストにも中国式を基本にして応じられる。しかし、現実に半目勝負の状況で、1手の大きさ順にヨセられないのは、正解を目指すには、技術的にかなり厳しい状況だ。
黒261ツギから290手止まりまで、赤が先手水色が応手後手
262(13の十四)アテ先手。264(7の十)千手。266(1の十四)挟み付け後手4目か。270(19の十四)半コウ接ぐ。271(19の六)ハネ接ぐ。後手2。274(9の十四)アテ、先手。276(5の十五)出、先手。278(2の十四)逆ヨセ1目。281(2の十)後手2目。281手目は、最強Zero九段の候補手分析では、8の十四挟み付けが探索回数のトップ。次いで、12の十七下辺のコスミツケ。渡れるわけではないので気が進まない。
282(1の八)ハネツギ、後手2目。283(1の七)打ち欠き。284(5の七)逆ヨセ1目。285(1の九)1目とる。286(1の六)抑え。287(5の八)逆ヨセ1目。288(5の十)アテ、先手。
半コウを無視してダメを優先
290(1の十一)後手1目。291(12の一)ハネ、ダメ、ゼロ目。1の八コウ取より小さい。292(10の一)手入れ。293(12の三)先手ゼロ目。コウ材の無駄遣い。294(4の一)手入れ。295(7の十九)ダメ。1手パス。296(5の十九)ダメ。297(2の十一)ダメ。298(7の十二)手入れ。299(3の十)ダメ。300(9の十二)手入れ。301(13の一)ツギ、ダメ。202(1の十)ダメ。303(15の五)ダメ。
半コウツギよりもゼロ目のダメを優先
304(パス)。びっくり。勝敗に関係ないからという訳だろう。コウトル1/3目より1手パスの方が手数が節約できる。勝敗が変わらない以上早く終局することを優先している。半コウを接いだり取ったりすることよりも、ダメを詰めて早く終局することを優先している。大きい順に打つ気配が全くない。勝率で判断する限り、逆転がない限り、大きさの判定は意味がない。囲碁としてはここまで来てなんだか悲しい。
307(1の八)半コウ接ぐ。終局。黒1目半勝ち。あと一歩、半目に迫っても、逆転の可能性はないのだろうが、何となくもやもやした感じで、すっきりしない。
307手黒最強Zero九段45分37秒(1手平均17秒8)、
白入神の囲碁十段2時間49分38秒(1手平均1分6秒5)。
ここから
(
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SZ[19]PB[最強Zero九段]PW[入神の囲碁十段]
GN[対入神打ち込み十番碁先相先1]DT[2020-03-29]
RE[B+1.5]KM[3.5]
PL[B]
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)
ここまで
次回、先相先第2局は、入神の囲碁十段が力を発揮するのか、それとも、最強Zero九段が連勝するのか、終局間際のヨセの動きに不自然さはないのか。おたのしみに。

para1002n(ぱら仙人)
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