占ひを応用した人生相談 -共通普遍性からの逸脱-
運転であれ、何であれ、人間のすることにミスは付き物だ。単純な計算ミスのやうなことは、占術においても起こりうる。「A」になると云ふべきところを「B」になると云つてしまつたり、言葉足らずで「B」にはならないとだけ云つて、肝心の「A」には触れず仕舞いになつたりの類だ。占術的表現といふものは元々確率的にも、言ひ回し的にも、当たるやうにできてゐるし、多少ピントがずれてゐても、逆さまであつても、クライアントの取り違えがあつても、結果として、当たつてしまうといふことは往々にしてある。

このやうな経験が何度かあると、自分に力があるかのやうに錯覚してしまふのだ。医療ミスは一度失敗すると取り返しがつかないが、占ひミスはどつちに転んでも辻褄が合つてしまつて、その結果、自分が言ひ当ててゐるのではなく、自分の云つた通りに事態が変化してゆくのだと錯覚するやうになつてしまふ。かうなるともう小道具を使つて偶然に頼ること( まともに占ふこと )がまどろつこしくなる。珠算に暗算があるやうに、占術に熟達してくると、筮竹やカードのやうな小物を使はないでも、相手を一瞬見ただけで、いくつかのツボを言ひ当てることができるやうになる。といふか、当たるやうな言ひ方のツボが分かるやうになる。
占ひの原則を応用してゐながら、占術とはまつたく関係ないかのやうに自分を前に出して、アドバイスを演じるやうになる。暗算で占つてゐるイメージを想像してください。その辺でやめておけばいいのに、曖昧さが許される占術と具体的でなければ意味をなさないアドバイスがごつちやになつてしまふと悲劇だ。期限を設けなければ、途中で何度外れても最後に一度当たれば結果的に当たつたことになるのに、場所を特定したり、期日を限定したりすることは、共通普遍性の範囲を極端に狭めることで、占術とは凡そ程遠い。
確率が高からうが低からうが、日時、場所、事象を極度に限定してしまふのは、最早、占術ではない。現実の世界では確率の低い方が起こることだつてある。云ひ切つてしまふのは占術ではなく、単なる博打(ばくち)だ。このやうな所業に陥るのは、自分の言葉どおりに周囲の状況のほうが変化してくれると妄想を抱いてゐる証拠だ。
女占ひ師の細**pea〜**子が「柔らちやんは金メダルを取れない」と云つてしまつたのは思ひ上がり以外の何ものでもない。場所も、時も、事象も、此処まで限定したら、確率的に高い方を云つても外れたときに逃げ道がない。占ひ師がどんなに嫌がらうが、予言が外れた実例を顔を会はす都度、何度でもしつこく謂ひつづけることだ。当たらない云ひ方を自信満々に「ずばり言ふわよ」などと二度と云はせないためにも、いつまででも外れた事例を執念く謂ひつづけることだ。

努力して金メダルを取つたのは柔らちやんであつて、占術を小道具にして有名人を話題にしただけで、自分も同じくらい偉くなつたわけでもないのに、ごまんとゐる現代超能力者(普通の現代人)の前で、臆面もなく自分だけが超能力者であるかのやうに錯覚させてはならない。国民栄誉賞が女占ひ師の細**pea〜**子にふさはしいのかぁ〜。格が違うだらうが、明らかに。
柔らちやんのこれからの人生には色々なことがある。あの時、運を使ひ果たしたからだと、
意趣返しのやうな牽強附会(こじつけ)の悪足掻きだけはやめてほしい。ワシがきつちり大錯覚界を予言しておく。

〆(..)para1002n(ぱら仙人)

次回に続く


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