NHK・BSハイビジョンにて、来る4月9日よりいよいよ放映開始となる
「生物彗星WoO」ですが・・・
その本放映に先駆けて、四夜連続でたっぷり、みっちり
円谷特撮の歴史とその魅力をおさらいしておこう、という特別番組、
その名も人呼んで「トクサツ・ナイツ」なるプログラムが
現在NHK-BS2の方で再放送されておりまして。
私はお正月の本放送を(不覚にも)見逃してしまっておりましたので、
これ幸いとばかりにTVの前にかぶりついております。
「ストップモーション・モデルアニメ」の技法紹介の場面において
さりげなくモノクロ処理を施した「恐竜探検隊ボーンフリー」の映像が使われていたり、
あるいは第二夜の「メトロン星人の怪獣大作戦」においては、
ホスト役のメトロン星人の声にわざわざオリジナルの中江真司氏を起用し、
しっかり「フルートとピアノのための協奏曲」に乗せて登場させたり、
更には特撮ファン以外は誰も知らなかったであろう幻の企画
「WoO」の全貌をねちっこく追跡した挙句、現存するイメージボードやイラストなどで
ダイジェスト・ストーリーまで構成してみたり、と・・・
押さえなければならないツボをしっかり押さえきったその上で、
何ともマニア泣かせのニクい遊びや配慮を随所にちりばめてあるあたりは
さすが
秋広泰生氏の仕事だなあ――と感心しきり。
現在のように新作のウルトラマンが次々作られることなど
夢物語にも等しかった、まさに「ウルトラ冬の時代」とも言うべき
1980年代後半〜1990年代前半・・・
そんな中にあって、「ウルトラビッグファイト」や「ばっちしV」、
あるいは「THEウルトラ伝説」などなど、数々の趣向を凝らした再編集ビデオ、
更には「ウルトラ怪獣大百科」や「ウルトラ怪獣大図鑑」にはじまる
テレビ東京系での五分間のウルトラマンミニ番組、更には数々の特番などによって
当時の現行児童層に「ウルトラ」の存在を絶えず啓蒙し続けてくれた
秋広氏の功績というのは、出版メディアの安井尚志氏や故・居村真司氏と並んで
もっともっと積極的に評価されてしかるべきものだ、と思うのですが……。
なお、さいとうひとし的には「THEウルトラ伝説」シリーズの中の
「侵略宇宙人 スーパーウェポンファイル」と「怪獣博物館」の二本が
切り口のユニークさ、使用映像のマニアックさなどにおいてお勧めです。
どこかのレンタルビデオ店などで見かけた際には、ぜひご覧下さいますよう!
そして共に、秋広氏の「いい仕事」っぷりにシビれましょう。
(3月30日、追記)
その後、気になって番組テロップの方を改めて見返してみましたら‥‥
秋広氏が「トクサツ・ナイツ」のディレクターを務めておられたのは
第一夜「円谷英二物語」と第二夜「メトロン星人の怪獣大作戦」のみで、
残る二本に関してはどうやらノータッチだったみたいです。
以上、お詫びとともに訂正させて頂きます(ぺこり)。
しかしながら、この項で私の言わんとすることには何ら変わりはありません。
ビバ秋広(笑)!!

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