「俺、参上ッ!!」

この決め台詞とともに、2007年をまさに疾駆した『
仮面ライダー電王』。
強烈な個性を持ったキャラクター群の「元気」が、全編に満ち満ちて溢れそうな
イキのよいドラマ作りによって、「大人の鑑賞に堪える作り」を重視するあまり
ともすれば閉塞感もあった当時の「平成仮面ライダー」事情に風穴をあけて
心地よい新風を吹き込み、本放映から3年を経た現在もなお、何らかの形で
映像作品が作られ続けていると言う、「仮面ライダー」史上……
いえ、本邦特撮ヒーロー史的に類例のない作品として、現在進行形で
作品世界が広がりを見せ続けている希有なシリーズです。

その『電王』は、玩具の世界においてもまた“風雲児”でした――
と言う訳で、かなり今さらではありますが、『仮面ライダー電王』本放映当時に
メインスポンサーのバンダイからリリースされた主力商品「装着変身」シリーズの
「仮面ライダー電王・ソードフォーム」を入手致しました。

それまでの「装着変身」シリーズからコンセプトを一新し、アーマー装着以上に
ベースとなる素体のアクション性をより重視して設計された本アイテム。
従来のそれをはるかに上回る滑らかな可動によって、劇中そのままのポージングを
思いのままに決めることができます。

反面、その代償として「装着変身」である意義が無に等しくなっている、という
厳しい批判があったことも否めないのですが……
スーツアクター・高岩成二氏の演技力と、各フォームの声優陣たちの好演による
相乗効果で、劇中にて活き活きと躍動していた「電王」ライダーを再現する上では
まさに、この方法論が的確なものだったことも事実であろう、と思います。
その好評ぶりは、次作『仮面ライダーキバ』の「装着変身」シリーズにおいても
商品コンセプトがそっくり受け継がれたばかりでなく、その方法論を更に熟成させて
シニア向けの可動フィギュアとして今も展開中である「S.H.フィギュアーツ」の
誕生をも促す事になっていったほどです。

長期シリーズにおける「商品展開のあり方」をも、ガラリと変革させるに至った
『仮面ライダー電王』の「装着変身」……
いやはや、作品ともども実に惚れ惚れするような暴れっぷりじゃありませんか(笑)。

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