8月22日、三笠市立博物館において開催された「恐竜模型教室」の講師として
本道に記念すべき初お目見えを果たして下さった、
荒木一成氏の著書――
“恐竜造形家・荒木一成のこうすればかっこうよく作れる恐竜模型”という副題通り
石粉粘土を使った恐竜造形のノウハウを、噛み砕いた平易な表現と文章によって
児童層にも判り易く解説してくれる一冊です。

児童向け図書の体裁をとってはいるものの、その内容は実に本格的で……
骨格や筋肉の基本をおさえた上で、針金と段ボールの芯に粘土を盛り付けながら
一頭の恐竜模型として仕上げていくその過程を、豊富な写真と解説によって
丹念に私たちに見せ、教えてくれます。

とりわけ、本書中におけるこんな一文……
“
形だけをまねて作ろうとしても、なかなかうまくいかないものですが
骨格を組み立て、筋肉になる粘土をひとつひとつくっつけていく作業を
丁寧にやれば、格好のいい恐竜を作る事が出来る”(大意)……のくだりは
そうだそうだと大きく頷くとともに、最も肝心なはずのデッサンを疎かにして
ついついディティールの再現ばかりに汲々としてしまう我が身の至らなさにも
思い至ってしまって、読みながら思わず赤面しきり(恥)。
子どもたちだけに読ませておくには、あまりに勿体ない――
粘土造形を趣味にしている方にとっては、美少女・怪獣などのジャンルを問わずに
多大な啓蒙と示唆を与えてくれる素敵な本です。
個人的には、拙ブログを通して知り合った若いお三方……
erekinnguさんと
古塚さん、
龍鈍さんにこそ是非お勧めしたい一冊ですね〜。
で、それはそれと致しまして。

8月22日・三笠市立博物館での「恐竜造形教室」の終了後、著者の荒木氏は
サインを求める参加者の方々に対し、気さくにサインをして下さってまして。
ただの一見学者であるワタクシもまた、しっかり貰ってきちゃいました(笑)。

サインと一緒に好きな恐竜の絵を描いて下さる、という荒木氏のご厚意に
ワタクシは白亜紀後期の「
コリトサウルス」をリクエスト。
発見当時の学説さえ覆されていなければ、ご当地・三笠の肉食恐竜化石として
迷わず「エゾミカサリュウ」をリクエストしたところなのですが……(笑)。
「(コリトサウルスは)描きなれてないから、ちょっと下手かもしれない」と
荒木氏は仰ってましたが……いやぁ、もう嘘ばっかし(笑)!
ワタクシの見守る前で、サラサラサラっと流れるようにサインペンを動かされて
アッと言う間に、この素ン晴らしいコリトサウルスですよっ。

世界にただ一冊、ワタクシだけの「恐竜学ノート」。
かくて本書は内容とサイン、二重の意味でワタクシの宝物になったのでした。

3