独特なテイストの怪獣ギャグと作りこみが好評の『
ウルトラゾーン』。
マニアックさとバカバカしさ、シュールさなどが相まった怪獣コントのパートに
第6話からは“本格的怪獣ドラマ”のパートが加わって、更にバラエティ豊かな
見応えある内容で毎回楽しませてくれるこの番組……
2011年最後の放送となる第11話のドラマパート、「スフラン島の秘蜜」後編は
前回、顔見せ的に登場したレッドキング&バードンに、バンピーラ(!)までもが
新規参戦しての、一大怪獣バトルが大きな見せ場となりました。

さすがに深夜枠のタイトな予算配分の限界ゆえか、屋外オープン撮影における
「引き」のカットでは、秘境の島らしい飾りこみが不足して、やや巨大感に欠ける
『ゴッドマン』か『バイオマン』か、という絵面になってしまった部分もあったものの
その一方で屋外撮りならではのリアルな空気感が、ドキュメンタリー映画の如き
迫真性と生々しさを感じさせる珠玉のカットとモンタージュをも続出させていて、
コレは今後も大いに研究とノウハウ蓄積の価値があるなぁ、と感嘆しきり。
何よりかにより「怪獣たちが野生の本能全開でバトる!」という状況設定だけで
かつての男の子のハートはバクバクと大興奮ですよ(笑)。
二足歩行恐竜型(と言いますか、ぶっちゃけゴジラ型)のレッドキングを中核に
鳥形&極彩色のバードン、そして意識的に人型のプロポーションから外された
異形の怪虫バンピーラ……と、それぞれに異なったシルエットを有する怪獣が
セレクトされたことで、ともすれば過去のウルトラシリーズ中にて間々見られた
“似たようなシルエットの怪獣同士が戦う”ことによる、画面の単調化の弊害を
上手に回避している、なにげに良く練られたマッチメイクとなっているあたりも
怪獣ファンとしては実に興味深かったところですね。
そして『ウルトラゾーン』のお楽しみと言えば、毎回の凝ったアイキャッチ。
今週放送分で、一番印象的だったのがこちらです。

「卯年(うさぎどし)」の最後ですので、実はけっこうウルトラシリーズの歴史的にも
理にかない、筋の通ったキャスティングであるピッコロ殿下。
ピッコラ星雲の王子というやんごとないご身分の方ですから、この除夜の鐘つきも
恐らくは国賓待遇でのゲスト参加、と見るのが正解ではなかろうか、と(笑)。

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