栄光の「スーパー戦隊シリーズ」第36作め、いよいよ放映開始……
その名は『
特命戦隊ゴーバスターズ』!
記念すべきその第1話、皆様はご覧になられましたでしょうか?

「過去34のスーパー戦隊との世界観リンク」という無茶を豪快に押し切ってしまった
前作『ゴーカイジャー』との差別化の意味もあってか、新戦隊『ゴーバスターズ』は
戦隊シリーズの様式美的な演出を意図的に抑えめにし、よりリアルな手触りのする
細部まできめ細かな配慮の行き届いた作品世界観の提示――
敵・味方ともに巨大な組織として設定され、その描写が例年になく充実していたり
ワンカットで瞬時に変形するゴーバスターエースや、バンクシーン使用を前提としない
ゴーバスターズらのモーフィング・シーンなど、これまでの諸作品より更にハイブロウで
海外プロフェッショナル・ドラマ的に「乾いた」ストーリー展開、そして開幕編ということで
たっぷりと費用のかけられた特撮ビジュアルの魅力でもって、『ゴーカイジャー』にて
ひとつの区切りを迎えた戦隊シリーズのニュー・スタンダード&リスタートをこころざす
製作陣の意欲が随所に感じられる立ち上がりとなっていました。

……ただ、そのようにしっかりと作りこまれたストーリー・世界観と映像であるだけに
ともすれば主役のゴーバスターズに扮する三人をはじめとした若手メインキャスト陣の
キャリア不足と役柄への「馴染みきらなさ」が、余計に際立ってしまう面もあるのが
辛い、と言えば辛いトコロでしょうか?
とは言え、そんな新人キャスト陣の成長振りを年間通じて見届けることが出来るのも
間違いなく「戦隊」ならではの喜びでもあるわけですので、その辺に関しましては
今の段階であまりガーガーと言い過ぎるのも野暮天ってものでしょう(笑)。

正義と悪の巨大組織どうしの激突、その中で活躍する選ばれた精鋭メンバー……
ビジュアル・設定面においては今までにない意欲的なチャレンジが試みられる一方で
物語世界の根幹を成すこの構図は、とりも直さず元祖『ゴレンジャー』においての
“戦隊の原点”そのものでもあるわけで、そういった意味でも本作『ゴーバスターズ』の
「戦隊の歴史をリスタートする」ための歩みには、今後も熱く注目していきたいなと。
もとよりこういった現代劇のプロフェッショナル・アクションや、その組織の描写などは
「戦隊」でこそ久々ではあるものの、がんらい東映の得意分野なわけですし、ね。

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