日曜朝のお楽しみ『
特命戦隊ゴーバスターズ』。
広大なミニチュアセットが屋外に常設され、オープン撮影ならではの迫真性を活かし
より力の入った巨大メカ戦を毎回見せてくれている本番組、今週放送分の第3話では
ブルーバスター操縦の「GT-02 ゴリラ」が本格的な初陣を披露してくれました。

実写映画版『トランスフォーマー』や、ロボットアニメの演出を参考にしたと思しき
よりスピーディー&スムーズなビークル→アニマルへの変形シークエンスは勿論、
今回デビューのこのゴリラ君の場合は、“バナナの皮のように、ミサイル外装パーツが
つるんと剥ける形で発射され、なおかつ剥けた外装もそのまま武器になる”という
専用武器の、ギャグタッチのアイディアをリアルな味付けで映像化してみせてくれた
その演出に思い切り意表を突かれ、かつ大いに笑わせて頂きました(笑)。

とりあえず1〜3話までのエピソードがパイロット版にあたるとのことで、製作予算も
潤沢にかけられ、例年以上に気合の入ったメカ戦特撮描写の緻密さとド迫力っぷりが
まず目を引く『ゴーバスターズ』ではありますが……その一方で、本編カットの中に
実にさりげなく、自然な形で、我々の住む世界とは似て異なる「新西暦」ならではの
パラレルなイメージを明確に視覚化しているCG合成もまた、派手さこそないものの
間違いなく「良い仕事」として評価したいトコロです。
こういった非現実的なビジュアル・イメージを、より低コストで、よりハイクオリティの
映像として供することが出来るのは、(今更ではありますが)デジタル特撮ならではの
素晴らしいメリットだな〜、と改めて思いますね(しみじみ)。

少しづつ、しかし確実に、その独自の世界観を浸透させている『ゴーバスターズ』。
従来の『戦隊』にはなかった数々の新機軸が意欲的に盛り込まれている一方で、
そのためにオミットされることとなった、一種伝統芸的な『戦隊らしさ』の希薄っぷりに
やや物足りなさを感じておられる向きも、もしかしたらあるかもしれませんが……

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