所謂「平成仮面ライダーシリーズ」において、ここ数年の恒例行事となっている
東映京都撮影所との連動による“
京都ロケ編”……
学生と言う立ち位置により、「修学旅行」という形で無理なくストーリーの中に
「京都行き」というイベントを組み入れることが出来るのは、現在放映中である
『
仮面ライダーフォーゼ』の設定ならではのメリットかもしれません。

そんなわけで、今年のGWにおける『フォーゼ』は京都編。
基本、天高周辺にカメラが固定され続けてきたこれまでのエピソードと異なる
イベント編としての楽しさだけで突っ走るのかと思いきや、OPに登場しながらも
これまでずっと鳴りを潜めてきた幹部格のレオ・ゾディアーツが遂に動き出したり
或いはここ数年の平成ライダーシリーズにおける、悪役サイドの黒幕的存在として
不気味な存在感を見せてきた「財団X」と学園理事長・我望の関係が、ここにきて
改めて示唆されたり……と、本筋に関わる謎や重要キャラクターの顔見せなども
どんどんやってくれちゃうもんですから、視聴者としては全く油断が出来ませんし
全くいやらしいコトこの上ありません(笑)。

ただ、そんな「これまでの通常エピソードとは異なるイベント編」ならではの空気を
緩衝材として置くことによって、それまでの“影を秘め、謎めいたクールな男”から
親友・井石二郎に関する重圧から解き放たれ、仮面ライダー部と真の友情を築いて
本来の優しく気さくな性格を、屈託なく表に出すようになったメテオ・朔田流星の
「彼本来の性格=(劇中における)全く新しい彼の一面」に対する視聴者の違和感を
巧みに緩和しつつ既成事実として定着させていこう、という脚本構成につきましては
素直に「うーん、上手いなァ」とテレビの前で唸らされましたし、恐らくは流星役の
吉沢亮氏も、この前後編における諸々の「砕けた芝居」に関しましては、演じていて
凄く楽しかったんじゃないかな〜、とも思っております。
そして「砕けた芝居」と言えば、忘れてはならないのが彼女。

現・仮面ライダー部部長、城島ユウキさんこと、演者の清水富美加氏に対する
『フォーゼ』スタッフ陣の“ネタキャラ”としての容赦ないイジりっぷり(笑)は、
1990年放映『美少女仮面ポワトリン』にて、花島優子氏が文字通り体を張った
一連の“オリュード変装”のインパクトにも迫り得る、そんな気が切に致します(笑)。

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