“宇宙刑事ギャバンが
コンバットスーツを「蒸着」するタイムは、
わずか0.05秒にすぎない。
では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう――”

と、言うわけで……
10月の映画公開に先駆けるかたちで、宇宙刑事ギャバン二代目・十文字撃と
そのパートナー・シェリーの二人が、今週放送分の『特命戦隊ゴーバスターズ』で
二週連続のゲスト出演を果たすこととなり、戦隊ヒーローとメタルヒーローとの
夢の競演劇が、先に公開された映画『ゴーカイジャーVSギャバン』に続きまして
ついにお茶の間のテレビでも現実のものとなりました。
とは言え、『ギャバン』の本放映終了から既に30年という時間が経過しており
ヒーロー番組の製作における方法論や映像テクニックなども、1982年に比べて
大きな様変わりを見せている現在、「戦隊ものとメタルヒーローの演出の差異」を
考慮に入れてその分を割り引き、
「チェイス!ギャバン」のオリジナル版メロオケをはじめ
渡辺宙明氏のスコアによる劇伴メロディの数々が、劇中にてふんだんに挿入され
大いに胸躍らせてくれたことを考慮してなお、今回の新ギャバンに関しましては
「大きな違和感」という第一印象をもって受け止めざるを得なかった、ということを
この場をお借りして、率直に告白させて頂きたいと思います。

それは例えば、オリジナル『ギャバン』における、海外のファンタジーアートを
多分に意識した色彩の毒々しさも、白昼夢のような妖しさも醸し出すことなく
何だかバラエティ番組のコント演出のように軽い、皮相な演出しかなされなかった
「魔空空間」描写の食い足りなさであり……
そして何よりかにより、その言動と演技が、粗野を通り越していささかチンピラ臭い
十文字撃が「ギャバン」のコードネームを名乗ることへの拒否反応でもあり。
もちろん製作サイドからすれば、そんな反応が起こるのは既に予想の範疇でしょうし
それらを軽くひっくり返してみせるだけのドラマ的・設定的な「仕掛け」のほうも
油断なく用意していることでしょうから、ここはスタッフ陣の腕前とノウハウを信頼して
次回以降にどんなサプライズが起こることになるのか、先に生じた「違和感」も込みで
大いに楽しみにしたいと思っています。
……んー、ガラにもなく辛めの感想になってしまいましたが、それによって改めて
自身の『ギャバン』愛を再確認できたのはちょっと嬉しかったり(笑)。

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