松本大洋氏の漫画『SUNNY』第三巻の初回特装限定版におきまして
久々に、復刻版の昭和ミクロマンが再起動&付属してくると聞き及び……
不意にまたムラムラッと、手持ちのミクロマンで遊びたくなっちゃいまして。

で、どんな風に遊ぼうかとあれこれ考えました末、とりあえずミクロマンたちの
精緻に造形されたこの頭部を塗装してみよう、という結論に。

とは言え、ミクロマンの頭部にはほぼ例外なく、その最大の商品的特徴にして
大きな魅力でもある銀メッキが施され、そのまんまでは塗料が乗りませんので
まずはミクロマンヘッドを台所用の漂白剤にしばし漬けこんで、一面のメッキを
綺麗に剥がしてしまうところからスタート。
でもって――そこから更に、塗り進めてみたのがこちらです。

「ミクロマンたちの肌の色をどう解釈するか」につきましては、ファンの間でも
諸説がありますが、ミクロ者の魂の故郷とも言うべき『テレビマガジン』誌での
漫画版を執筆なさっていた故・森藤よしひろ氏は、玩具における銀メッキフェイスを
休眠・活動停止(玩具になりすましている)状態の“スリープ・モード”と規定し
彼らの劇中における活動時の素顔として、我々と同じ肌色を与える、という形で
玩具仕様にも矛盾せず、かつ年少読者の感情移入をよりたやすくする……という
上手い形での処理を行い、多くの読者層の支持を得ていた事実がありますので
今回はそれに習い、メッキ剥がし後のヘッドを肌色塗装してみました。

そして、精緻な彫刻によって人間のリアルな表情が再現されたミクロマンヘッドは
1970年代の時代性を反映し、また海外輸出を考慮に入れていたこともありましてか
皆さん揃ってかなり濃い目の「おソース顔」だったりしますので、ついついこっちも
ヘンな形で興が乗ってしまいまして、所謂アニメっぽいさらっとした塗りではなく
いつも怪獣ソフビでやってるようなこってり塗装に走ってしまいました(笑)。
で、今回こうして実際にミクロマンヘッドを塗装してみたわけですが……
当初苦戦するだろうな〜、と思っていた目の塗装に関しましては、要はモールドに
塗料を「置いて」いけばいいだけの話ですんで、さほどの事でもなかったんですが
むしろアレです、難儀させられたのは……
眉毛描き(笑)!
なにしろサイズがサイズですんで、おっかなびっくり描いては修正を繰り返して
結構な時間を費やすこととなってしまい……また同時に、小サイズのフィギュアに
しっかり顔を描き、表情や個性付けまでなさってしまうモデラーの方々の技量は
ほんとにスゲェよなぁ、と改めて尊敬の念を抱かされてしまいました。

以上、今回はミクロマンフェイスのリペイントの巻でした。
こういう遊び方、昭和ミクロマン直撃世代の方々にとっては、1980年代における
「ニューミクロマン」期にメーカーサイドから推奨されていた「改造計画」のことを
懐かしく思い出される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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