“難しいことは、
ぜんぶ後回しだ!”
(『烈車戦隊トッキュウジャーVS仮面ライダー鎧武 春休み合体スペシャル』より
仮面ライダー鎧武/葛葉紘汰の台詞)

毎週日曜朝の顔、二大ヒーローが豪華顔合わせ・夢の共演――
いつもの番組枠を一時間ぶち抜きにする形でオンエアされた春休みの豪華プレゼント、
『
烈車戦隊トッキュウジャーVS仮面ライダー鎧武 春休み合体スペシャル』は
トッキュウジャーと鎧武が力をあわせて巨悪に挑むという筋立てのシンプルさで
難しいことを考えずノホホンと楽しめる娯楽ヒーロー・イベント編に仕上がっており
「世界観や番組の空気などが天と地ほども違う作品だけに、それらの共演っては
お互いの持ち味を潰しあうことになりはしないだろうか?」という、多くのファンが
視聴前に抱いていたであろう懸念を良い意味で裏切ってくれました――
まさに今週放送分のSP編は、上記の紘汰サンの台詞がすべてです(笑)。

何しろメインストーリーの筋立てが単純な分、今回のスペシャルに関しましては
二つの異なる作品の主人公同士が出会い、絡むことによる「化学反応」の妙が
なんとも実に楽しいところで、特に『鎧武』本編であれだけ周囲の状況に翻弄され
苦悩しまくっている紘汰サンが、デビューしたての新米・トッキュウジャーと絡むと
俄然、落ち着きと風格のある先輩ヒーローっぽさが滲み出てきてしまうというのが
意外ながらも面白いところだなァ、と思ったり。
その一方で、現在公開中である映画『仮面ライダー大戦』との連動というかたちで
ゲスト出演した仮面ライダー1号、2号、V3らの存在がどう見ても蛇足であったり
「30年めの新バダン怪人」であるモグラロイドの造形が、『ZX』初期怪人たちの
やや漫画的なメカニック・デフォルメとも、生物的質感を強調したトカゲロイド以降の
UFOサイボーグらとも異なる、いかにも平成ライダー怪人然としたデザインラインで
明らかに先達バダン怪人デザインの文法から「浮いて」しまっている違和感、などの
ひっかかりも随所にあったりしましたが、まァそこはそれ(苦笑)。

そして「貴虎兄さん」こと呉島主任……
今回は変身もバトルもないというのに、そのポジションたるや美味しすぎッ(笑)!

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