本州よりも一足遅れでやって来る、北海道の春。
この季節ならではの花々が、ようやく訪れた文字通りの「我が世の春」を待ちかね
遂に出番だ! とばかり、ある花は誇らしげに、またある花は慎ましく可憐に、と
それぞれのかたちで咲き乱れてくれる季節です。

そんな北海道における「5月の花々」の中でも、特に有名なもののひとつがこちら、
湧別町は「道の駅・かみゆうべつ温泉チューリップの湯」の敷地内に広がっている
その名もずばりの“
チューリップ公園”です。

総面積・7万平方メートルの花壇には、本場オランダから直輸入されたものだという
珍しい品種の花、或いは我が国でもすっかりお馴染みであるポピュラーな品種など
約50品種・4万5千本ものチューリップが一斉に花を咲かせ、訪れる善男善女の目を
大いに楽しませてくれます。

とにかくまァ、その素晴らしさは本記事掲載の拙い写真でも充分に伝わるかと――
花々の美しさに加え、接写を試みた際に鼻先へ伝わってくる芳香の力強い濃密さに
可憐な花の意外にも力強い生命力をしみじみと実感させられ、圧倒されてしまいます。

ただ今回は、上湧別を含む道北の広い地域で激しい風雨が吹き荒れ、それによって
多くの花が被害を受けたとニュースで聞き及んでおりましたので、果たして現地で
無事にチューリップとのご対面が叶うか、と危惧もしていたのですが、いざ実際に
湧別町へ到着してみれば、幸いその辺のことは杞憂だったようでホッと一安心。

……と言いつつ、注意深くチューリップ畑の隅々へ目を注げば、まさにその風雨で
痛ましい横倒し状態になってしまった花というのも、ちらほらと見え隠れ致しまして
自然の力の凄まじさと、その横倒し状態からどうにか観光客を呼べる状態にまで
チューリップ畑の状態を持ち直させた「チューリップ公園」関係者のマンパワーに
それぞれ別の意味で、ひたすら頭の下がる思いです。

桜と同じで、これを逃すとまた一年間お預けになってしまうチューリップ畑の威容。
おかげさまで、今度もた〜っぷりと堪能して帰って参りましたよっと。

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