昔から「貧すれば鈍す」などと申しますが……
逆に言うなら、懐具合にある程度の余裕があると、それまでは
つい見落としがちだったものに目を向ける余裕が出来てくるのも
また事実でありましょう。

そんなわけで、様々なオタ買い物のついでに購入したこの一冊……
朝日ソノラマ刊「
季刊 宇宙船」の1984年冬号(Vol.17)。
何を隠そう、隠しませんが。
当時、小学5年生だった僕が初めて購入した「宇宙船」であり
今のような特撮オタクの泥沼へとずるずる引きずり込まれていく
その最初の一歩(笑)として、とても思い出深い一冊なのです。

僅か6ページのミニ特集とは言いながら、その高密度と濃度で
未だに『光速エスパー』を語る上では、「宇宙船」本号の記事が
凄く使える第一級の資料だったりしてますし……

それと、この時期に開催されていた「3DSF情景写真コンテスト」で
個人的にひときわ目を惹いた連作投稿「惑星ダイトの生命体」。

ただ単にディオラマを撮影するだけでなく、別途添付された
文章テキストとの合わせ技で「オリジナルなSF世界観」そのものを
提示・創出して行こうと言うコンセプトそのものが凄く衝撃的で……

その投稿者さんが、日本を飛び越えて海外でも精力的に活動し
映画『ウルトラ銀河伝説』でベリュドラのデザインもなさっていた
木谷太士郎氏であると知って、その才覚のきらめきっぷりに
改めて深く納得させられたものです。

1984年の購入以来、何度も何度も何度も読みふけり続け……
すっかりぼろぼろになりながら、それでも捨てられなかった本書も
この度の買い直しで、ようやくお役御免となりました。

心からの感謝とともに、改めての最敬礼!

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