2010/5/12
毎年秋か春には宮島沼に雁を見に行くのだが、去年の秋も今年の春も行きそびれてしまった。
今年の春は異常で7万羽もの雁が宮島沼に結集したという。夕暮れに一斉に沼をめがけて四方八方から列をなして空を埋め尽くすようにやってくる様は壮観である。羽音まで聞こえて、何度見ても鳥肌が立つ。昔から詠まれている雁の情趣などとは無関係。そんな哀れとは関係なく、生き物のたくましさ、本能のようなものを感じる。
朝のねぐら立ちも面白い。雁にもあわてん坊がいて、他の家族が一斉にねぐらを立つと、あわてて自分もその後についていき、それが間違った家族だとわかって、また沼に戻ってくる雁がいる。どこの世界にもドジなやつがいるものだなあと思うと嬉しくなる。
もう半分以上はシベリアに帰っただろうが、まだ残っている雁もいるだろう。雨があがったら見に行ってみようかな。

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